月例経済報告(H24.11.16)

景気の基調判断

〈現状〉

景気は、世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きとなっている。

 

〈先行き〉              

先行きについては、当面は弱い動きが続くと見込まれる。その後は、復興需要が引き続き発現するなかで、 海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待されるが、欧州や中国等、対外経済 環境を巡る不確実性は高い。

 

(リスク要因)

     世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動等が、我が国の景気を下押しするリスク

     雇用・所得環境の先行き

     デフレの影響

                  等

79月期GDP 1次速報の概要 

     79月期の実質GDPは514兆円、前期比年率で▲3.5%

    13月期+5.2%、46月期+0.3%。

    震災前の1012月期の実質GDPは515兆円。

    79月期の名目GDPは470兆円、前期比年率で▲3.6%

 

投資の動向 

     設備投資は、弱含みである。

     上場企業は製造業を中心に減益となっている。

     住宅建設は横ばいである。

      9月の住宅着工総戸数は、前年比で、全国+15.5%、被災3県+42.6%

     公共投資は、堅調に推移している。

     4-10月期の公共工事請負金額は、全国合計前年比+16.5%

 

消費・雇用の動向   

     個人消費は、弱い動きとなっている。

     消費総合指数は、前月比で、8月+1.6%、9月▲0.7%。

     新車販売台数は、引き続き減少している。

     前月比で、9月▲11.3%、10月▲6.0%。

     雇用情勢は、改善に足踏みがみられる。

     完全失業率は、低下している。84.2%94.2%

○ 製造業の雇用者数が大きく減少している。

 

 輸出・生産の動向  

     輸出は、弱含みである。

     対前月比で、7月▲4.8%8月+2.6%9月▲2.3%。

     生産は、減少している。

     対前月比で、9月▲4.1%。予測調査で、10月▲1.5%11月+1.6%

 

物価の動向  

     国内企業物価は、このところ下落テンポが鈍化している。

     10月は、対前月比▲0.1%、対前年比▲1.0%

     原油・穀物相場は、このところ弱含みとなっている。

     消費者物価は、わずかながら下落している。

     9月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、対前月比0.2%、対前年比▲0.2%

     コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、対前月比▲0.1%、対前年比▲0.6%

     物価上昇を予想する消費者の割合は、おおむね横ばいである。

 

アメリカ経済の動向  

     景気は、弱めの回復テンポが続いているが、このところ底堅さも見受けられる。

    消費は、緩やかに持ち直している。

    住宅着工件数は、持ち直しの動きがみられる。

    雇用者数は、増加している。失業率は、低下傾向にある。

○ 「財政の崖」が、回避できなければ来年の成長を大きく下押しする。

 

アジア経済の動向  

     中国は、景気の拡大テンポがやや鈍化しているものの、このところ安定化の兆しもみられる。

     生産は、伸びがおおむね横ばいである。

     輸出は、伸びがこのところ持ち直している。

     固定資産投資は、緩やかな伸びである。

     インドは、景気の拡大テンポが弱まっている。

     その他は、景気が総じて足踏み状態にある。

 

ヨーロッパ経済の動向  

     景気は、弱含みである。

     ユーロ圏・主要国の実質GDP成長率は、英国を除くと弱い動きとなっている。

     ユーロ圏の生産は、弱い動きとなっている。

     ユーロ圏の失業率は、上昇している。ギリシャ825.4%、ポルトガル915.7%、アイルランド915.1%、イタリア910.8%、スペイン925.8%、フランス910.8%、英国97.8%、ドイツ95.4%