平成25年度畜産物価格等・関連対策

平成25年度畜産物価格等が、1月25日に決定いたしました。主な内容は次の通りです。

今回の決定にあたっては、政権を奪還後初の対策ということで、畜産関係者の皆様のご意見を反映したものとなるよう、自民党畜産酪農対策小委員会において検討を進めてまいりました。また、1月24日に、私が委員長を務める衆議院農林水産委員会を開催し、各党の意見を聴取いたしました。

この結果、畜産農家の皆様の経営に対応した対策を講じることが出来たものと存じます。

なお、飼料価格の高騰に際しては、期中改定も講じることとしております。

◇ 肉 用 牛

1 畜産・酪農経営安定対策

(1) 肉用牛繁殖経営支援事業(38万円事業)の発動基準の引き上げ      159億円

   肉専用種の子牛価格が発動基準を下回った場合に、差額の3/4を交付。

   発動基準を38万円から41万円に引き上げ

 

(2) 新マルキン事業の地域算定のモデル実施                      869億円

   肉用牛肥育農家に対し、粗収益と生産費との差額の8割を補てん。一部の県において地域算定をモデル的に実施。

2 その他事業

(1) 肉用牛経営安定対策の補完対策                                    33億円

  ○ 中核的担い手育成増頭推進(8万円事業)の要件緩和・拡充                   8億円

    優良な繁殖雌牛を増頭した中核的な担い手農家に対し、増頭1頭当たり8万円を助成

    対象牛の能力要件を緩和し使い勝手を良くした。

 

  ○ 新規参入円滑化等対策の拡充                                3億円

    農協等が飼養管理施設等の整備を行い、新規参入者に貸し付け。

 

  ○ 増頭等のための簡易牛舎の整備等の推進                        2億円

    繁殖雌牛の増頭等のための簡易牛舎の整備・改造等に必要な経費を補助。

 

  ○ 優良繁殖雌牛の導入(4万円事業)の推進                         3億円

    優良な繁殖雌牛の導入に対して、1頭当たり4万円を助成

 

  ○ 肉用牛ヘルパーの推進                                     4億円

    高齢者や傷病時に経営が継続できるよう肉用牛ヘルパー組合に支援。

 

   ○ 子牛預託の奨励金単価の引き上げ・拡充                                5億円

     家畜商組合等が組合員に肉用子牛を預託する取り組みを推進するため奨励金を交付。

 

(2) 食肉流通の改善・合理化の支援対策                                  26億円

  ○ 食肉消費拡大対策の創設                                   6億円

    国産牛肉の新たな商品価値を創出・提案するための、加工品試作や入札販売会等の 取り組みを支援。

◇ 養 豚

1 畜産経営安定対策

(1) 養豚経営安定対策の補てん金算定方法の変更                       100億円

      養豚経営に対し、収益性が悪化した際に補てん。生産コストが変動した場合にも対応できるよう、新マルキン事業と同様の算定方法への変更。

2 復活・見直しされた事業

(1) 地域養豚振興特別対策事業 

   純粋種豚に対する助成を3万円/頭〈定額〉。

   優良種豚の能力・血統証明に対する助成(1/2以内)。

◇ 酪 農

1 畜産経営安定対策

(1) チーズ対策の助成金単価の引き上げ                 【H25当初】 88億円

      チーズ向け生乳を対象にチーズ生産と酪農経営の安定が図られるよう助成金を交付。 

2 その他事業

(1)  酪農経営安定対策の補完対策の拡充                      8億円

  ○ 酪農ヘルパー事業の拡充                              4億円

     酪農家の傷病時利用の円滑化等の支援に加え、酪農ヘルパーを活用した生産基盤の強化、利用組合の強化など地域の自主的な取り組みを支援。


  ○ 牛群検定システム高度支援事業の拡充                     4億円

    牛群検定組合による生乳の品質改善や生産向上のための取り組みの支援に加え、 遺伝子情報を利用した改良体制を強化。


(1)  酪農生産基盤回復緊急支援事業(都道府県対策)の創設        10億円

    生産基盤回復計画に基づき、地域における乳牛の維持・継承、飼養管理技術の改善、乳製品製造技術の向上等の取り組みを行う酪農家集団に対し補助。


(2)  加工原料乳確保緊急対策事業の創設                     5億円

    生産者の計画を踏まえて加工原料乳の確保に向けた取り組みを緊急に行う指定団体に対し加工原料乳1kg当たり30銭相当を交付。           

《その他》

●  通常補てん基金の市中銀行からの借入金のうち平成25年度分の返済金180億円を償還繰り延べすることに伴い必要となる利子を異常補てん基金から助成(無利子化)。  ⇒ これにより、飼料の高騰に対応するための約600億円資金を確保。

●  当面の主な関連対策のほか、以下の中期的な課題については、平成26年度予算の要求等に反映できるよう、引き続き検討を行う。

○  畜産・酪農経営安定対策の在り方

○  穀物価格の上昇等に対応する配合飼料価格安定制度の在り方

○  酪農・肉用牛の生産基盤の維持・確保を図るための施策の在り方

平成25年度畜産物価格等

1 肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格(単位:円/頭) 

 

24年度

25年度

保証基準価格

黒毛和

褐毛和

その他の肉専用

乳用種

交雑

310,000

285,000

204,000

116,000

181,000

320,000

292,000

209,000

122,000

188,000

合理化目標価格

黒毛和種

褐毛和種

その他の肉専用

乳用種

交雑

268,000

247,000

142,000

83,000

138,000

273,000

251,000

144,000

86,000

142,000

※ 合理化目標価格の適用期間

    今回の合理化目標価格の適用期間は、平成25年4月1日から平成26年3月31日までとする。

 

2 指定食肉の安定価格(単位:円/kg) 

 

24年度

25年度

 豚     肉

安定上位価

545

550

安定基準価

400

405

 牛     肉

安定上位価

1,060

1,070

安定基準価

815

825

 

3 加工原料乳生産者補給金単価及び限度数量 

 

24年度

25年度

補給金単

12.20円/kg

12.55円/kg

限度数

183万トン

181万トン

 

4 鶏卵の補てん金基準価格及び安定基準価格 

 

24年度

25年度

補てん基準価格

185円/kg

186円/kg

安定基準価格

158円/kg

159円/kg