平成26年度畜産物価格・関連対策が決定いたしました。主な内容は次の通りです。
今回の決定にあたっては、畜産関係者の皆様のご意見を反映したものとなるよう、自民党畜産酪農対策小委員会において検討を進めてまいりました。その結果、畜産農家の経営安定に資する対策を講じることが出来たものと存じます。また、党の税調において「肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の適用期限を3年延長する」ことが出来ました。
○ 肉用牛繁殖経営支援事業の確実な補填 159億円
肉専用種の子牛価格が発動基準を下回った場合に、差額の3/4を交付。消費税の引き上げ
に伴う発動基準価格の引き上げ。/41万円が42万円に!!
○ 新マルキン事業の確実な補填 869億円
肉用牛肥育農家に対し、粗収益と生産費との差額8割を補填。
○ 肉用牛経営安定対策の補完対策 34億円
(1)中核的担い手育成増頭推進(8万円事業)の拡充 /8万円事業を10万円に!! 8億円
優良な繁殖雌牛を増頭した中核的な担い手の繁殖農家に対し、増頭1頭当たり8万円
(高能力牛は10万円)を助成。対象者を肥育農家や酪農家へ拡大。
(2)増頭等のための簡易牛舎の整備等の拡充 3億円
繁殖雌牛の増頭等のための簡易牛舎の整備・改造等に必要な経費を補助。
(3)肉用牛ヘルパーの拡充 5億円
高齢者や傷病時に経営が継続できるよう肉用牛ヘルパー組合に支援。分娩時の子牛等の
事故率低下のために高齢な飼養農家への分娩代行管理の取組を追加。
(4)新規参入円滑化等対策の推進 3億円
農協等が飼養管理施設等の整備を行い、新規参入者に貸し付け。新規参入者が無理なく繁殖
雌牛を導入(複数年度にわたる繁殖雌牛の導入)できるよう措置。
(5)繁殖性向上モデルの新設 1億円
地域ぐるみで繁殖性向上や放牧管理の効率化を行うための繁殖管理システムのモデル構築
を支援。
(6)優良繁殖雌牛の導入(4万円事業)の推進 /4万円事業を5万円に!! 2億円
優良な繁殖雌牛の導入に対して、1頭当たり4万円(高能力牛は5万円)を助成。高齢な飼養
者が、現状の飼養頭数を維持したまま経営継続する場合にも繁殖雌牛の導入を支援。
(1)養豚経営安定対策の確実な補填 100億円
養豚経営に対して、粗収益と生産費との差額の8割を補填。
(2)養豚経営安定対策の補完事業の創設 1億円
養豚経営の安定を図るため、優秀な純粋種豚等の導入を推進する取組を支援。
(1) 飼料自給力強化支援事業の実施期間延長・抜本見直し 【24年補正】127億円
○新たな取組として、都府県酪農の輸入粗飼料への依存体質を改善し、国産粗飼料の利用・定着
を推進するための取組(6,100円/頭)を支援。
○運用改善として、TMRセンター等へのリース方式による機械導入を追加、国産粗飼料の広域
流通による利用拡大を追加、コントラクター等の草地更新等への支援の対象要件を見直し、畑
作物の導入による永年草地の強害雑草対策の実証展示を追加。
○放牧施設・採草地やTMRセンターの改修等を緊急的に実施するとともに、国産粗飼料の利用
を拡大する取組に対して支援。受精卵移植に必要な機器の導入など公共牧場の機能強化を明確
化。
(2) 都府県の酪農生産基盤の強化事業の組替(酪農生産基盤維持緊急支援事業) 10億円
地域酪農生産基盤維持計画に基づき、酪農後継者への重点的な支援、高能力な雌牛の整備(性
判別受精卵)、飼養環境改善のための資材の導入等の取組の追加や要件緩和により、地域における乳牛の維持・継承、繁殖・飼養・衛生管理技術の改善等の取組に対し支援。
(3) 加工原料乳供給安定緊急特別対策事業の創設(1年限り) 4億円
加工原料乳(脱脂粉乳・バター向け)の安定供給に向けた飼養管理の改善のための自己点検の
取組を緊急に行う指定団体に対し加工原料乳1kg当たり20銭相当を交付。
(4) 酪農経営安定対策の補完対策の拡充 13億円
・酪農ヘルパー事業の拡充 8億円
地方基金事業の後継事業として、新規就農者や後継者育成の場として酪農ヘルパーを活用した
人材育成支援の強化、酪農家の傷病時利用(病気、事故、出産、忌引き)に「育児サポート」
を追加、外部化組織との統合等利用組合の強化など酪農ヘルパー組合の活動を支援。
・牛群検定システム高度化支援事業の拡充 5億円
牛群検定組合による遺伝子情報(ゲノミック評価)を利用した改良体制を強化、後継牛生産に
適さない低能力の乳用雌牛への黒毛和種受精卵移植の支援を追加。
(5) 国産乳製品供給安定対策事業の組替 チーズ向け対策(88億円)の一部
チーズ向け生乳を加工原料乳生産者補給金の対象に加えることに伴い、チーズ向け生乳供給安
定対策の中で実施している、生産者団体が需給状況に応じて行う乳製品の安定供給等の取組へ
の支援を分離して措置。
(6) 生乳需要基盤強化対策事業の実施期間延長・運用改善 【24年補正】14億円
牛乳乳製品の底堅い需要の確保に向けて、生産者・乳業者が一体となって行う新商品・技術の
開発、新市場の開拓などの取組を支援。
生産者団体による牛乳乳製品の消費維持・定着のための理解醸成活動、生産者自らが作る乳製
品の販路拡大等を追加。
(1) 配合飼料価格安定制度の充実
① 借入金の本格的リスケジュール(返済圧力の緩和)
・市中銀行借入分(26年度180億円)につき、その借入分の一部(90億円)をALICに借
り換えるとともに、残額を必要時に通常補填に充当できるよう措置。
利子助成 6億円
ALICへの借り換え 90億円
・ALIC及び異常補填基金からの借入分は、基金残高等に応じ、猶予を含め柔軟化。
② 異常補填の機能強化 【25年補正】100億円
・通常補填が苦しくなる時期に異常補填が発動しやすくなる発動基準の特例新設。
・ 補正予算での財源強化(100億円)
・ 民間の異常補填積立の円滑化(27年度分の前倒し) 利子助成 3億円
③ 通常補填の指標の見直し
・異常補填と同じく輸入原料価格の変化を捉えた仕組みへと見直し、構成・客観な指標の下で制度を運用。
(2) 資金対策
・畜産農家に対する農林漁業セーフティネット資金の無担保・無保証人化枠の拡大。
【25年度補正】10億円
(3) 飼料用米の利用推進
・飼料用米等を利用・保管する機械等の導入
攻めの農業実践緊急対策 【25年度補正】 350億円
畜産収益力向上緊急支援リース事業
【25年度補正】 70億円
(4) 食肉流通の改善・合理化の支援対策 33億円
・食肉需要拡大対策の拡充 8億円
国産食肉の新たな商品価値を創出・提案するための、加工品試作や入札販売会等の取組を支援。
対象畜産物として牛肉に加え、豚肉と鶏肉を追加。
(5)畜産動産担保融資の活用推進の創設 1億円
土地や施設、保証人によらず、家畜(動産)を担保とした融資による資金調達の課題解決に向けた取組を支援。
1 加工原料乳生産者補給金単価及び交付対象数量
|
25年度 |
26年度 |
補給金単価 |
12.55円/Kg |
12.80円/Kg |
交付対象数量 |
181万トン |
180万トン |
2 指定食肉の安定価格
(単位:円/Kg)
|
25年度 |
26年度 |
|
牛肉 |
安定上位価格 |
1,070 |
1,105 |
安定基準価格 |
825 |
850 |
|
豚肉 |
安定上位価格 |
550 |
570 |
安定基準価格 |
405 |
425 |
3 肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格
(単位:円/頭)
|
25年度 |
26年度 |
|
保証基準 価格 |
黒毛和種 |
320,000 |
329,000 |
褐毛和種 |
292,000 |
300,000 |
|
その他の肉専用種 |
209,000 |
215,000 |
|
乳用種 |
122,000 |
128,000 |
|
交雑種 |
188,000 |
195,000 |
|
合理化目標 価格 |
黒毛和種 |
273,000 |
275,000 |
褐毛和種 |
251,000 |
253,000 |
|
その他の肉専用種 |
144,000 |
145,000 |
|
乳用種 |
86,000 |
87,000 |
|
交雑種 |
142,000 |
143,000 |
合理化目標価格の適用期間
今回の合理化目標価格の適用期間は、平成26年4月1日から平成27年3月31日
までとする。
4 鶏卵の補填基準価格及び安定基準価格
|
25年度 |
26年度 |
補填基準価格 |
186円/Kg |
187円/Kg |
安定基準価格 |
159円/Kg |
166円/Kg |