月例経済報告(H26.9.19) 基調判断 〈現状〉 ・ 景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな 回復基調が続いている。 ・ 消費者物価は、緩やかに上昇している。 〈先行き〉 先行きについては、当面、一部に弱さが残るものの、雇用・所得 環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意 する必要がある。 |
個人消費/住宅投資の動向
○個人消費は、持ち直しの動きも続くが、このところ足踏みが続いている。
・ 消費総合指数(実質)は前月比で、6月+0.5%、7月▲0.6%
前年比で、6月▲1.3%、7月▲2.4%。
○住宅建設は、このところ減少テンポが緩やかになっている。
・ 住宅着工戸数は前月比で、6月+1.3%、7月▲5.0%。
前年比で、6月▲9.5%、7月▲14.1%
○自動車販売は、下げ止まりつつある。
・ 新車販売台数〈含軽〉は前月比で、6月▲1.9%、7月▲1.7 %、8月▲0.1%。
前年比で、6月+0.1%、7月▲2.6%、8月▲9.5%。
○家電は、持ち直しの動きが緩やかになっている。
・ 家電17品目の売上推移は前月比で、6月▲10.9%、7月+2.3%。
前年比で、6月▲9.8%、7月▲9.7%。
○外食は、このところ弱い動きになっている。
・ 外食売上は前月比で、6月▲1.7%、7月▲3.3%。
前年比で、6月▲1.8%、7月▲2.5%。
○ 百貨店売上は、持ち直しの動きがみられる。
・ 百貨店販売額は前月比で、6月+3.0%、7月▲3.1%、8月(試算値)+3.9%。
前年比で、6月▲5.5%、7月▲2.7%、8月(試算値)▲1.1%。
○ 昨年より、低温・多雨であった。
・ 7月は、一部を除いて昨年よりも10日以上遅い梅雨明けだった。
・ 8月は前年比で、平均気温▲1.5°C、降水量+60%。
○ 消費者マインドは、持ち直しのテンポが緩やかになっている。
雇用・賃金・所得の動向
○雇用情勢は、着実に改善している。
・ 有効求人倍率は、6月1.10、7月1.10。
・ 完全失業率は、6月3.7%、7月3.8%。
○一人当たり賃金は対前年比で、7月+2.4%。
○実質雇用者所得は、底堅い動きになっている。
・ 4-7月平均は前月比で、実質雇用者所得▲1.3%、現金給与総額+1.2%、雇用者数+0.7%。
○ 一般労働者が足下で増加している。
物価の動向
○ 消費者物価(消費税抜き)は、緩やかに上昇している。
・ 7月のコア〈固定基準)は、前月比+0.2%、前年比+1.3%。
・ 7月のコアコア(連鎖基準)は、前月比0.1%、前年比+0.9%。
○ ガソリン、電気代、生鮮食品は、高止まりになっている。
・ 7月は前月比で、ガソリン+1.6%、電気代▲0.3%、生鮮食品▲1.4%。
前年比で、ガソリン+10.4%、電気代+8.5%、生鮮食品+5.8%。
設備投資╱公共投資の動向
○設備投資は、増加傾向にあるものの、このところ弱い動きとなっている。
・ 前年比で、6月+2.2%、7月+4.7%。
○設備投資計画は、過去平均と比べて総じて高い伸びになっている。
○機械受注(設備投資の先行指標)は、6月、7月ともに増加した。
・ 産業計は前月比で、6月+8.8%、7月+3.5%。
○公共投資は、総じて堅調に推移している。
・ 請負金額は前月比で、7月+0.8%、8月▲13.2%。
・ 出来高は前月比で、7月+1.6%。
外需の動向
○輸出は、横ばいである。
・前月比で7月▲0.4%、8月▲0.2%。
○輸入は、このところ弱含みである。
・前月比で7月▲1.4%、8月▲2.3%。
生産の動向
○生産は、弱含みである。
・前月比で、6月▲3.4%、7月+0.4%。
(予備調査)8月+1.3%、9月+3.5%。
景気ウォッチャー調査
○現状判断は、4ヶ月ぶりに低下した。
・ すべてに地域で低下した。
○先行きの判断は、依然高水準ながら3ヶ月連続低下した。
・ 多くの地域で低下した。
アメリカ経済の動向
○景気は、回復している。
・ 2014年4-6月期実質GDPは、前期比年率+4.2%。
・ 消費は、増加している。住宅着工は、持ち直しの動きがみられる。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下している。
アジア経済の動向
○中国は、景気の拡大テンポが緩やかになっている。
・ 生産は、伸びがこのところ低下している。
・ 輸出は、持ち直している。
・ 固定資産投資は、伸びが鈍化した。
○インドは、景気が持ち直しの動きがみられる。
ヨーロッパ経済の動向
〇景気は、全体として持ち直している。
・ ユーロ圏の4-6月期の実質GDPは、前期比年率+0.1%。
・ ユーロ圏の生産は、持ち直しの動きがみられる。
〇ユーロ圏の7月の失業率は、高水準ながら緩やかに低下している。
・ ユーロ圏11.5%、ドイツ4.9%、英国6.2%、フランス10.3%、イタリア12.6%、スペイン24.5%、
〇ユーロ圏の物価上昇率は、低下している。