月例経済報告(H26.12.19) 基調判断 〈現状〉 ・ 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな 回復基調が続いている。 ・ 消費者物価は、このところ横ばいとなっている。 〈先行き〉 先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の 改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復 していくことが期待される。ただし、消費者マインドの低下や 海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意 する必要がある。 |
個人消費の動向
○ 個人消費は、底堅い動きである。
・ 消費総合指数(実質)は前月比で、9月+0.8%、10月▲0.2%
○ 自動車販売は、持ち直している。
・ 新車販売台数〈含軽〉は前月比で、9月+10.2 %、10月▲1.8%、11月+1.9%。
前年比で、9月▲3.2%、10月▲7.4%、11月▲10.2%。
○ 家電は、緩やかに持ち直している。
・ 家電17品目の売上は前月比で、9月▲1.9%、10月+0.3%、11月+5.3%。
前年比で、9月▲10.9%、10月▲12.4%、11月▲6.5%。
○ 百貨店売上は、緩やかに持ち直している。
・ 百貨店販売額は前年同月比で、8月 +0.5%、9月▲0.2%、10月▲0.9%、11月+0.1%。
○ 外食は、おおむね横ばいである。
・ 外食売上は前月比で、9月+2.4%、10月▲2.4%。
前年比で、9月▲1.2%、10月▲1.1%。
○ 消費者マインドは、弱い動きである。
・ 消費者態度指数は、9月39.9(前月差▲1.3)、10月38.9(前月差▲1.0)、
11月37.7(前月差▲1.2)
住宅投資/公共投資の動向
○ 住宅建設は、下げ止まりである。
・ 住宅着工戸数は前月比で、8月+0.7%、9月+4.1%、10月+2.7%。
前年比で、8月▲12.5%、9月▲14.3%、10月▲12.3%。
○ 公共投資は、底堅く推移している。
・ 公共工事請負金額は前月比で、10月▲7.6%、11月▲2.4%。
・ 出来高は、10月+0.2%。
雇用・賃金・所得の動向
〇 総雇用者所得は、底堅い動きである。
・ 10月の名目総雇用者所得は+0.9%。実質総雇用者所得〈消費税除く〉+0.4%、実質総雇用者所得▲1.6%。
○ 一般労働者が、足下で増加している。
○ 新規求人は、減少傾向にある。
○ 有効求人倍率の上昇には、一服感がある。
・ 有効求人倍率は、9月1.09、10月1.10。
・ 完全失業率は、9月3.6 %、10月3.5%。
物価の動向
○ 消費者物価(消費税抜き)は、このところ横ばいである。
・ 10月のコア〈固定基準)は、前月比+0.1%。
・ 10月のコアコア(連鎖基準)は、前月比+0.2%、
○ 原油価格は、下落傾向にある。
○ 鉱物性燃料輸入額は、横ばいである。
企業収益/設備投資/業況の動向
○ 企業収益は、全体として横ばいだが、大企業製造業では改善の動きがみられる。
○ 業況判断は、おおむね横ばいである。
○ 設備投資は、おおむね横ばいである。
・ 資本財総供給は、9月+3.7 %、10月7.6%。
・ 機械受注は、9月+2.9%、10月▲6.4%。
○ 設備投資計画は、過去平均に比べて総じて高い伸びである。
生産の動向
○ 生産は、下げ止まりである。
・ 鉱工業生産は前月比で、9月+2.9%、10月+0.4%。
(予備調査)11月+2.3%、12月+0.4%。
○ 家電等の在庫は、高水準だが、2か月連続で減少した。
○ 住宅関連の在庫は、2か月連続で減少した。
外需の動向
○ 輸出は、横ばいである。輸出数量は前月比で、10月+2.1%、11月▲1.1。
○ 輸入は、おおむね横ばいである。輸入数量は前月比で、10月▲1.9%、11月▲1.1%。
○ 経常収支の黒字幅は、拡大している。
○ サービス収支は、黒字に転化した。
景気ウォッチャー調査
〇 現状判断は、2か月連続で低下した。また、多くの地域で低下した。
○ 先行き判断は、6か月連続で低下した。また、多くの地域で低下した。
アメリカ経済の動向
・ 景気は、回復している。2014年7-9月期実質GDPは、前期比年率+3.9%。
・ 消費は、増加傾向にある。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下している。
・ 住宅着工は、持ち直している。
アジア経済の動向
○ 中国の景気の拡大テンポは、緩やかになっている。
・ 生産は、伸びが低下している。輸出は、伸びがおおむね横ばいである。
・ 消費は、伸びがおおむね横ばいである。固定資産投資は、伸びが鈍化している。
○ インドの景気は、持ち直しの動きがみられる。
ヨーロッパ経済の動向
○ ユーロ圏では、景気は持ち直しの動きが続いている。
・ ユーロ圏の7-9月期の実質GDPは、前期比年率+0.6%。
・ ドイツ+0.3%、フランス+1.1%、イタリア▲0.6%、スペイン+2.0%、英国+2.8%
○ ユーロ圏の生産は、おおむね横ばいである。
○ ユーロ圏の物価上昇率は、低水準で横ばいである。