月例経済報告(H27.6.15) 基調判断 〈現状〉 ・景気は、緩やかな回復基調が続いている。 ・消費者物価は、緩やかに上昇している。 〈先行き〉 先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、原油価格 下落の影響や各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが 期待される。ただし、海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しする リスクに留意する必要がある。
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個人消費の動向
○ 個人消費は持ち直しの兆しがある。
・消費総合指数は、前月比で、2月+0.3%、3月+0.8%、4月▲1.1%。
○ 自動車販売は、弱い動きである。
・新車販売台数〈含軽〉は前月比で、3月+1.8%、4月▲9.4%、5月+9.4%。
・前年比で、3月▲11.9%、4月▲10.1%、5月▲8.2%。
○ 家電は緩やかに持ち直してきている。
○ 百貨店・スーパーの売上は改善傾向である。
・百貨店売上高は前月比で、2月+4.9%、3月▲1.3%、4月+1.2%。
・スーパー売上高は、前月比で、2月+1.2%、3月+4.2%、4月▲1.3%。
○ 外食及び旅行は、おおむね横ばいである。
・3月の旅行取扱金額は、前月比で、国内+0.7%、海外▲1.8%、合計▲0.1%。
○ 消費者マインドは、持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっている。
・消費者態度指数は、3月41.7(前月差+0.8)、4月41.5(前月差▲0.2)、5月41.4(前月差▲0.1)。
住宅投資・公共投資
○ 住宅建設は、持ち直しの動きである。
・住宅着工戸数は前月比で、2月+4.7%、3月+1.7%、4月▲0.7%。
前年比で、2月▲3.1%、3月+0.7%、4月+0.4%。
・4月単月の持家着工数は29.2万戸(前月比▲1.3%)、貸家着工数は37.5万戸(前月比▲5.4%)、分譲着工数は、24.3万戸(前月比+9.7%)。
○ 公共投資は、総じて弱い動きである。
・請負金額は前月比で、3月▲7.7%(出来高▲0.4%)、4月+6.3%、5月+3.6%。
雇用・賃金の動向
○ 総雇用者所得は持ち直してきている。
・4月の名目総雇用者所得は前年比で+1.4%、実質総雇用者所得は前年比で+1.3%。
○ 非正規雇用者比率はおおむね横ばいである。
○ 有効求人倍率は上昇した。
・有効求人倍率は、3月1.15、4月1.17。
・完全失業率は、3月3.4%、4月3.3%。
物価の動向
○ 消費者物価は、緩やかに上昇している。
・4月のコア(生鮮食品を除く総合;固定基準)は、前月比+0.1%。
・4月のコアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合;連鎖基準)は、前月比+0.1%。
○ 消費者物価(コア)は、前年とおおむね同水準である。
・4月のコア(固定基準)は、前年比+0.0%。
・4月のコアコア(連鎖基準)は、前年比+0.6%。
○ 食料、外食が上昇に寄与している。
○ 電気代及び都市ガス代には、下落の動きがみられる。
投資・収益・業況
○ 設備投資は、このところ持ち直しの動きがみられる。
・機械受注(船舶・電力除く民需)は、2015年1-3月期は前期比で+6.3%、4月は前月比で +3.8%、4-6月期予測は前期比で▲7.4%。
・設備投資(法人企業統計季報)は、2015年1-3月期は、前期比で+5.8%。
○ 企業収益は、総じて改善傾向である。
○ 業況判断は、おおむね横ばいも、一部に改善の兆しがみられる。
○ 中小企業の仕入価格DI(前年比「上昇」-「下落」)は、低下傾向である。
・中小企業の仕入・販売価格の動向について、中小企業月次景況観測(商工中金)の「販売価格DI-仕入価格DI」は、2月▲10.1、3月▲11.0、
4月▲10.6、5月▲11.5。
・中小企業景況調査(日本公庫)の「販売価格DI-仕入価格DI」は、2月▲10.9、3月▲10.8、4月▲14.8、5月▲10.4。
生産
○ 生産は、一部に弱さがみられるものの、持ち直してきている。
・3月は前月比▲0.8%、4月は+1.2%。
・予備調査で、5月は前月比+0.5%、6月は前月比▲0.5%。
○ 輸送機械は、このところ弱含みである。
・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、4月▲0.3%、5月(予測)+7.9%、6月(予測)▲3.5%。
・電子部品・デバイスは前月比で、4月+5.4%、5月(予測)+0.6%、6月(予測)▲4.8%。
・輸送機械は前月比で、4月+0.6%、5月(予測)▲6.2%、5月(予測)+3.3%。
○ 輸送機械の在庫は調整の動きがみられるものの、高水準で横ばいである。
○ 電子部品・デバイスは、出荷・在庫が同時に増加している。
外需
○ 輸出・輸入は、おおむね横ばいである。
・輸出は前月比で、3月+2.4%、4月▲1.1%。
・輸入は前月比で、3月▲8.5%、4月+5.6%。
○ 輸出は、アジア向けがおおむね横ばいである。
○ 経常収支(月次)の黒字幅は、4月は縮小した。
・経常収支は前月比で、3月+240.9%、4月▲38.3%。
○ 旅行収支の黒字幅は、拡大している。
・旅行収支は前月比で、3月▲18.4%、4月+3.9%。
景気ウォッチャー調査
○ 景気の現状判断(DI)は、4カ月連続で50を上回った。
・現状判断DIは、3月52.2(前月差2.1)、4月53.6(前月差1.4)、5月53.3(前月差▲0.3)。
○ 現状判断は、多くの地域で上昇した。
○ 先行き判断は、6か月連続で上昇した。
・先行き判断DIは、3月53.4(前月差0.2)、4月54.2(前月差0.8)、5月54.5(前月差0.3)。
○ 先行き判断は、多くの地域で上昇した。
アメリカ経済の動向
○ アメリカの景気は、このところ弱めの動きも見られるが、回復が続いている。
○ 2015年1-3月期実質GDPは、前期比年率▲0.7%。
○ 設備投資は、このところ弱い動きである。
○ 雇用者数は増加し、賃金の伸びはおおむね横ばいである。
○ 消費は、増加している。
ヨーロッパ経済の動向
○ ユーロ圏では、景気は持ち直している。
・ユーロ圏の2015年1‐3月期実質GDPは、前期比年率+1.5%。
・ユーロ圏の輸出は、持ち直している。
・ユーロ圏の失業率は、高水準ながら低下している。
・ユーロ圏の物価上昇率は、6か月ぶりに上昇した。
アジア経済の動向
○ 中国:景気の拡大テンポは、一段と緩やかになってきている。
・ 生産は伸びが鈍化、輸出はこのところ弱い動きである。
・ 固定資産投資は、伸びが一段と鈍化している。
・ 不動産市況の調整等から、株式等に資金流入している。
○ インド:内需を中心に、景気は持ち直してきている。