月例経済報告

 

月例経済報告(H30.1.19)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の

効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。

 

景気回復の進展

○ 雇用情勢の着実な改善を背景に、個人消費は、持ち直している。。

   ・ 企業部門のみならず、家計部門でも改善の動きが広がっており、景気は緩やかに回復している

○ 各地域で景況感の改善が進んでいる

   ・ 地域の景況感をみると、すべての地域で「良い」が「悪い」を上回っており、2000年代半ばの

     景気回復期と比べて、地域によるばらつきも小さくなっている。

   ・ 少子高齢化を背景に各地域で生産年齢人口(1564歳の人口)が減少しているが、就業者数

     は全地域で増加している。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

   ・ 消費総合指数は、前月比で、7+0.2%8+0.0%、9月▲0.5%10+0.2%11+1.1%。

   ・ 消費者態度指数(DI)は前月差で、8月▲0.5%、9+0.6%10+0.6%11+0.4%12月▲0.2%

・ 11月の実質総雇用者所得は前期比で▲0.1%

※ 景気ウォッチャー調査(201712月)

 【景気の現状判断◎】

   ・百貨店……前月に引き続き好調である。特に、担当商品ではおせち料理が2~3万円の商品を中心

   によく動いており、景気の回復を感じさせる。クリスマス関連でも限定品のクリスマスケーキが好調で、

   食料品全体では前年比3.0%増と好調を維持している。

 【景気の現状判断○】

    家電量販店……既存店の来客数が前年を超えてきている。さらに、単価上昇が売上を伸ばすと

              いう理想のサイクルである。人気のスマートフォンの新機種や人気の携帯型

              ゲーム機の貢献度は高い。

    スーパー……12月中旬から野菜の価格が高騰している。ふだんであれば、鍋物の需要が減り、

             客単価が伸び悩むところであるが、今年はボーナスの上昇や株高など、財布の

             ひもが緩む要因が多い

 【景気の現状判断▲】

   ・テーマパーク……週末を中心に天候が悪く、寒い日が続いているので入園者数が減少している。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は、このところ弱含んでいる。

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、8月▲3.2%9月▲1.8%10月▲1.4%11+0.3%

・持家着工数は前月比で、8月▲4.5%9月▲1.0%10月▲1.4%11月▲0.1%

・貸家着工数は前月比で、8月▲1.2%9+1.8%10月▲1.4%11月▲0.1%

・分譲着工数は前月比で、8月▲9.1%9月▲6.7%10月▲3.2%11+3.5%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、8+15.1%(出来高▲1.1%)、 9月▲1.0%(出来高▲0.5%)、

 104.2%(出来高▲0.6%)、11月▲0.7%12月▲0.2

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、着実に改善している。

   ・有効求人倍率は、71.5281.5291.52101.55111.56

   (正社員は1.05)で、19741月以来の高水準となった。

   ・完全失業率は、72.8%82.8%で、92.8%102.8%112.7%で、1993

   11月以来24年ぶりの水準となった。

   

物価の動向  

   消費者物価は、横ばいとなっている(11月総合前月比+0.1%)。

○ 消費者物価上昇率(消費税抜き)は、11月総合前年比+0.5%

◎企業による価格改定の動き

 ・外食……・1月から天丼チェーンA社が天丼価格を8%値上げ

 ・テーマパーク入場料……・1月からレジャー業者B社が1日フリーパス代を約4%値上げ

                 3月からレジャー業者C社が1日フリーパス代を約1%値上げ

 ・運送料……・3月から運送業者D社が基本運賃を平均約12%値上げ

 ・自動車保険料(任意)……・1月から損害保険数社が自動車保険料(任意)を平均3%値下げ

                 (自動ブレーキ搭載車を対象に平均9%値下げ)

                   

投資・収益・業況

○ 業況は、改善している。

・業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

    「大企業・製造業」は、20176+179+2212+2520183+19

    「大企業・非製造業」は、20176+239+2312+2320183+20

    「中小企業・製造業」は、20176+79+1012+1520183+11

    「中小企業・非製造業」は、20176+79+812+920183+5

○ 企業収益は、改善している。

○ 設備投資は、緩やかに増加している。

 

生産

○ 生産は、緩やかに増加している。

・鉱工業生産は前月比で、9月▲1.0%10+0.5%11+0.6%12月(予測)3.4%1月(予測)▲4.5%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、8+4.1%9月、▲2.3%10+0.7%11+3.1%

・電子部品・デバイスは前月比で、 8+1.7%9月▲5.6%10月▲0.6%11+4.3%

・輸送機械は前月比で、8+2.6%9月▲1.2%10+1.1%11+0.3%

 

外需

輸出は持ち直し、輸入は持ち直しの動きが見られる。

○ 貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、3カ月ぶりに下降した

  ・現状・季節調整値DIは前月差で、8月±0.09+1.610+0.911+2.112月▲0.2

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、2カ月連続で下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、8+0.8%9月▲0.110+3.9%11月▲1.1%12月▲0.7%

 

アジア経済の動向  

○ 中国では、各種政策効果もあり、景気は持ち直しの動きが続いている。

・輸出は持ち直している。

・消費は伸びがおおむね横ばいとなっている。

・生産は伸びがおおむね横ばいとなっている。

・固定資産投資は、伸びがやや低下となった。

・消費者物価上昇率は、おおむね横ばいとなっている。

〇 韓国・台湾では、景気は回復しつつある。

○ タイ・インドネシアでは、景気はこのところ持ち直している。

〇 インドでは、景気は内需を中心に緩やかに回復している。

 

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は着実に回復が続いている。

  ・20177-9月期のGDP成長率(3次推計値)は、前期比年率+3.2%

〇 雇用者数は増加しており、失業率は低下傾向にある。

12月の失業率は、4.1%

〇 コア物価上昇率は、おおむね横ばいとなっている。

○ 製造業の景況指数は堅調に推移している。

○ 生産は、持ち直している。

◎税制改革の概要(2018年1月から実施)……2027年までの10年間で1兆4,560億ドルの減税

個人税制改革……11266億ドルの減税

 ・個人所得税の最高税率を39.6%から37%に引下げ

 (2025年までの時限)

 ・基礎控除を約2倍に引上げ

 (2025年までの時限)

法人税制改革……6,538億ドルの減税

  ・連邦法人税率を35%から21%に引下げ

国際課税改革……3,244億ドルの増税

 ・海外留保利益への課税、海外子会社から国内企業への配当に対する控除

 

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏では、景気は緩やかに回復している。

ドイツでは、景気は緩やかに回復している。

イギリスは、景気回復は緩やかになっている。

   ・7-9月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で、+2.4%(イギリスは+1.6%)。

   ・失業率は、特にドイツとイギリスで低下した。

   ・イギリスでは、ポンド安に伴い、輸出が増加した。

〇 個人消費は、ユーロ圏では増加した。

  イギリスは、緩やかに増加した。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏はおおむね横ばいとなり、イギリスは上昇した。

   ・12月の消費者物価指数(コア)は前年比で、ユーロ圏1.1%、イギリス2.7%

◎イギリスEU離脱交渉の動き

   2016623日   英国のEU離脱に係る国民投票

   2017329   英国、欧州理事会にEU離脱を通知

           611月   第一段階交渉(第1~6回交渉会合)

         (最優先課題(「在英EU市民等の権利」、「未払い分担金等の清算」、「アイルランド国境管理問題」)を議論)

         1215    欧州理事会、交渉の第二段階への移行を決定

   20181月~秋   第二段階交渉

         (移行期間、上記最優先課題の具体的内容、通商関係の予備的交渉)

                 秋   事実上の交渉期限

   2019329   英国のEU離脱期限 

        329日~   移行期間(期間は第二段階交渉で決定)