月例経済報告

 

月例経済報告(H30.11.22)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策

   の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、

   通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、

   金融資本市場の変動の影響等に留意する必要がある。

 

2018年7-9月期GDP(1次速報)

○ 20187-9月期の実質成長率は、前期比マイナス0.3%となった。

   ・この夏に相次いで発生した自然災害により、一時的に個人消費が押し下げられたことや

    輸出がマイナスになったことが主な要因となった。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

   ・消費総合指数は、前月比で、6+0.5%7月▲0.1%8+0.2%9月▲0.2%

   ・自動車販売額・百貨店販売額が持ち直しに寄与した。

   ・消費者態度指数(DI)は前月差で、6月▲0.1%7月▲0.2%8月▲0.2%9+0.1%

    10月▲0.4%

9月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.3%

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は、おおむね横ばいとなった。

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、6+0.7%7月▲1.2%8月▲1.4%9+1.0%

・持家着工数は前月比で、6月▲6.9%7+3.8%8月▲2.1%9+0.8%

・貸家着工数は前月比で、6月▲1.1%7+2.0%8+0.9%9月▲0.3%

・分譲着工数は前月比で、6月▲20.0%7+14.4%8月▲3.5%9+4.2%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前年同月比で、6月▲7.1%(出来高▲0.6%)、7月▲2.4%(出来高▲0.5%)、

 8+1.3%(出来高▲1.2%)、9+1.6%(出来高+0.3%)、10+8.6%

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢が着実に改善する一方、人手不足感が高い水準となっている。

   ・有効求人倍率は、51.661.6271.6381.6391.64

   (正社員は1.14)となった。

   ・完全失業率は、42.5%52.2%62.4%72.5%82.4%

   92.3%となった。

   

物価の動向  

   消費者物価は、このところ上昇テンポが鈍化している。(10月総合前月比+0.1%)。

○ 消費者物価上昇率(消費税抜き)は、10月総合前年比+1.3%

           

投資・収益・業況

○ 業況は、おおむね横ばいとなった。

・業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

    「大企業・製造業」は、201712+2620183+246+219+1912+19

    「大企業・非製造業」は、201712+2520183+236+249+2212+22

    「中小企業・製造業」は、201712+1520183+156+149+1412+11

    「中小企業・非製造業」は、201712+920183+106+89+1012+5

○ 企業収益は、改善している。

○ 設備投資は、緩やかに増加している。

 

生産

○ 生産は、緩やかに増加している。

・鉱工業生産指数は前月比で、80.3%9月▲0.4%10月(予測)+6.0%11月▲0.8%(予測)

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、6月▲3.9%7月▲2.1%8+5.4%9+0.8%

・電子部品・デバイスは前月比で、5+3.4%6+2.7%7+1.8%、▲9.0%9月▲1.2%

・輸送機械は前月比で、5月▲5.9%6+0.6%7月▲4.2%8+4.6%91.7%

 

外需

輸出はおおむね横ばいとなった。

○ 輸入はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 貿易・サービス収支は、赤字に転じている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気ウォッチャー調査は、緩やかな回復基調が続いている。

  ・企業の景況感は、引き続き良好な企業が上回っているが、夏以降、自然災害の影響や

   海外経済の不確実性が足下の景況感を押し下げていることに留意が必要である。

  ・上場企業の7-9月期決算によると、企業収益は、前年の同時期と比べて増加している。

  ・足下10月の景況感について、景気ウォッチャー調査をみると、景況感は自然災害による

   落ち込みからの回復がみられる。

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、1カ月ぶりに上昇した

  ・現状・季節調整値DIは前月差で、6+1.07月▲1.58+2.19月▲0.110+0.9

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、2カ月連続で下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、6+0.87月▲1.08+2.49月▲0.110月▲0.7

 

   ◎ 景気ウォッチャー調査における自然災害等の影響

   近畿地方観光型ホテル(やや良)……7~9月は台風や平成30年7月豪雨などの自然災害に加えて、

                          関西国際空港の閉鎖による影響で、来客数が大きく減少したが、

                          10月に入ってようやく元に戻ってきた感がある。

   中国地方一般レストラン(やや良)……平成30年7月豪雨災害から3か月たち、当時キャンセルになった

                          客から再度の予約が入るなど、ある程度の復旧ができている。

                          また、インバウンドの来客数が前年を上回る勢いで伸びている。

   九州地区食料品製造業(やや悪)……原料や資材の値上げの話題が多い。今後、経営を圧迫する

                           のではないかと危惧している。

   南関東地区化学工業(やや悪)……取引先の勢いが下降気味である。米中貿易摩擦の影響が大きい。

 

アジア経済の動向  

○ 中国では、政府の構造調整の取り組みの影響もあり、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられ、

  民間債務削減による影響や、今後の貿易動向に注意が必要である。

   ・7-9月期の実質GDP成長率は6.5%と、4-6月期から0.2%低下した。

・輸出は堅調に増加している。

・乗用車販売台数は、伸びが低下した。

・消費は伸びがやや低下している。

・生産は伸びがおおむね横ばいとなっている。

・固定資産投資は、伸びが下げ止まりとなった。

・消費者物価上昇率は、おおむね横ばいとなっている。

〇 韓国・タイでは、景気は緩やかに回復しているが、一部に弱い動きもみられる。

○ 台湾・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

〇 インドでは、景気は回復している。

 

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は着実に回復が続いている。ただし、貯蓄投資バランスや今後の貿易動向に

  注意が必要である。

  ・20187-9月期のGDP成長率(1次推計値)は、前期比年率+3.5%

  ・消費者マインド・企業マインドともに、高い水準で推移している。

〇 雇用者数は増加しており、失業率は低下傾向にある。

 ・10月の失業率は、3.7%となった。

〇 コア物価上昇率は、安定している。

○ 消費は増加、自動車販売台数はおおむね横ばいとなっている。

○ 製造業の景況指数は堅調に推移している。

○ 生産は、緩やかに増加している。

○ 輸出はこのところ弱い動きとなっている一方、輸入は高い伸びとなっている。

○ 設備投資は、緩やかに増加している。

 

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏では、景気は緩やかに回復している。

ドイツでは、景気は緩やかに回復している。

イギリスは、景気回復は緩やかになっている。

   ・20187-9月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で、+0.7%

   (イギリスは+2.5%、ドイツは▲0.8%)。

   ・ドイツの鉱工業生産(輸送機器;EUでの新車への新燃費試験方法導入に伴う)低下が

    ドイツのGDPマイナスに寄与した。

   ・イギリスの民間設備投資は、EU離脱にかかる不確実性やグループ企業内での投資配分の

    調整により、3四半期連続でマイナスとなった。

○ 個人消費は、ユーロ圏・イギリスともに、緩やかながら増加した。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏はおおむね横ばい、イギリスはこのところ安定している。

   ・10月の消費者物価上昇率(コア)は前年比で、ユーロ圏1.2%、イギリス1.9%

○ 輸出は、ユーロ圏ではこのところおおむね横ばい、イギリスでもおおむね横ばいとなった。

○ 設備投資は、ユーロ圏は緩やかに増加、イギリスではこのところ弱含みとなった。 

○ 失業率は、ユーロ圏では低下傾向にあるが、イギリスではおおむね横ばいとなった。