月例経済報告
月例経済報告

2024年

2月

21日

月例経済報告

 

月例経済報告(R6.2.21)

基調判断

〈現状〉

・景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の

 効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、

 世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外

 景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

 また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢金融資本市場の変動等の

 影響に十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の

 経済に与える影響に十分留意する必要がある。

 

 

令和6年能登半島地震の影響

○  北陸地域の景気ウォッチャーからは、令和6年能登半島地震の影響について、地域の景気への影響や自粛ムードが長引くこと

   などを懸念するコメントが多く寄せられている。先行きについては、北陸新幹線延伸や北陸応援割、復興需要に期待するコメント

   もみられる。

○ 地震で被災したサプライヤー企業からの部品調達が滞り、県外でも一部で生産活動に影響が生じている。

○ 北陸地域の人流に関するビックデータをみると、震災直後の落ち込みからもとに戻る動きもみられる。

 

世界の経済情勢

○  世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

 先行きについては、持ち直しが続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めや中国における不動産市場の停滞に伴う影響による

 下振れリスクに留意する必要がある。また、中東地域 をめぐる情勢、金融資本市場の変動の影響を注視する必要がある。

・アメリカは、2023年の実質成長率葉2.5%と、個人消費主導で景気は拡大している。スマートフォンや音楽ライブなどが好調である。

  ・中東地域の緊迫が続く中で、昨年末から海上貿易はスエズ運河を回避しアフリカの喜望峰周りとなる動きが増加している。また、

   昨年末にみられた物流コストの急上昇には一服感がみられるものの、今後の動向には留意が必要である。

 

GDP速報

   2023暦年のGDP成長率は、実質で1.9%、名目で5.7%と高い伸びとなっている。

名目成長率は1991年(6.5%)以来の水準である。

   202310-12月期(1次速報)のGDP成長率は、実質では前期比▲0.1%と2四半期連続のマイナスの一方、名目では同+0.3%と2四半期

  ぶりのプラスとなった。名目GDPの実額は596兆円と過去最高を更新した。

   実質GDP成長率の内訳をみると、外需はプラスに寄与した一方、個人消費はマイナス0.2%、設備投資はマイナス0.1%3四半期連続

  マイナスとなった。また、内需は力強さに欠ける。

   日本とドイツの比較

2023年のドイツの名目GDPは、米ドル換算で日本を上回った。

米ドル換算のGDPは、為替レートの影響を受けること、また、日本に比べ、ドイツの物価上昇率が高いことに留意が必要で

ある。ただし、ドイツは、日本の3分の2の人口、約6割の就業者数、約8割の労働時間で日本と同程度の名目GDPを実現し、

生産性が高い。

・ドイツは、2000年以降、平均で実質1%、名目2%以上の成長を実現した。

日本では、バブル崩壊以降の約30年の間、デフレ心理と コストカットの縮み志向の中、名目・実質ともに低成長となって

いる。デフレから脱却し、経済を熱量溢れる新たなステージに移行 させる千載一遇のチャンスを逃さず、「物価上昇を上回る

賃上げ」の実現と潜在成長率の引上げに取り組むことが必須となる。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直しに足踏みがみられる。

個人消費は、サービス消費回復の一服に加え、物価上昇や暖冬の影響もあり、半耐久財や非耐久財が減少した。一方、雇用環境

 の改善に加え、物価上昇の落ち着きにより、消費者マインドは持ち直し、実質総雇用者所得も持ち直しの動きが見られる。

・コロナ禍で積み上がった超過貯蓄は、アメリカでは取り崩しが進む一方、日本では取り崩しは限定的となっている。賃金・所得の

 増加が継続していくという成長期待が重要となる。

・本年開始の新NISAに向け、口座開設数は、3040代を中心に増加。貯蓄から投資への流れも期待される。

実質総消費動向指数は、前期比で、90.1%100.0%11月▲0.1%、12月▲0.1%

・消費者態度指数(DI)は前月差で、9月▲1.0%10+0.5%11+0.4%12+1.1%1+0.8%。 

12月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.5%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、横ばいとなっている。輸入物価は、おおむね横ばいとなっている。

消費者物価は、このところ緩やかに上昇している。

消費者物価の前年比は、昨年1月のピーク時は4.3%まで上昇したが、激変緩和措置もあり、足下は2%台で推移している。

・財のうち食料品については、昨年までの値上げラッシュが一服。2024年の年明け後の値上げについては、原材料高等を理由と

 する企業の割合が低下し、人件費の転嫁を理由とする割合が増加した。

・サービス物価の上昇も、当初は、原材料高を受けた外食や設備修繕等が中心であったが、昨年以降は、宿泊料に加え、塾や習い事、

 理美容など人件費割合が相対的に高い分野の寄与が徐々に高まってきている。人件費を含む適切な価格転嫁が着実に進展していく

 ことが、賃金と物価の好循環のために重要となる。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は弱含んでいる。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、9月▲1.5%10+0.1%11月▲2.0%12+3.1%

・持家着工数は前月比で、8+5.8%9月▲9.3%10月▲6.6%11+1.7%12+1.7%

・貸家着工数は前月比で、8月▲4.4%9+4.8%10+0.9%11月▲2.7%12+0.6%

・分譲着工数は前月比で、8+17.0%9月▲2.0%10+5.0%11月▲4.8%12+9.1%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、8月▲10.8%(出来高▲0.4%)、9+8.5%(出来高+0.7%)、10月▲3.3%(出来高▲0.3%)、11+4.3%

 (出来高▲0.6%)、12+5.7%(出来高+0.9%)、1月▲4.5%             

 

雇用・賃金の動向

   一般労働者の賃金は1%台の上昇の一方、パート労働者の時給は、需給のひっ迫や最低賃金引上げもあり足下で4%まで上昇した。

  2023年の一般労働者の賃金上昇率をみると、若年層で高めとなっている。

   主要国やデフレ前の日本では、物価上昇と労働生産性向上が名目賃金上昇をけん引している。物価上昇を賃金に反映させ、物価

  に負けない名目賃金上昇率を実現・継続し、賃金と物価の好循環を回すとともに、労働生産性を高めていくことが重要となる。

 ○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

 ・有効求人倍率は、91.29101.30111.28121.27(正社員は1.00)となった。

  ・完全失業率は、82.7%92.6%102.5%112.5%122.4%となった。

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

○ 設備投資は、持ち直しに足踏みがみられる。

 ・企業の設備投資意欲は高いが、実際の設備投資には必ずしも結び付いていない。建設投資(工事出来高)は、これまでの大型工事

  の一服で減少傾向にあったが、建築工事費予定額は持ち直しており、今後、建設投資につながることが期待される。

 ・建設技能者は不足しており、特にエレベーターの設置等に携わる電気工事士等では過去最高水準の不足超となった。こうした中、

  エレベーター等の建設関連設備は受注が伸び、需要は堅調である一方、受注残が積み上がっている。

 ・電工や配管工の就業者数は、長期的に減少傾向が続き、過去20年でそれぞれ10万人強ずつ減少している。

○ 業況判断は、改善している。

  倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20233+16+59+912+1220243+8

  「大企業・非製造業」は、20233+206+239+2712+3020243+24

  「中小企業・製造業」は、20233月▲66月▲59月▲512+120243月▲1

  「中小企業・非製造業」は、20233+86+119+1212+1420243+7

 

生産

 生産は、持ち直しに向かっていたものの、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響により、このところ生産活動が低下している。

・鉱工業生産指数は前月比で、10+1.3%11月▲0.9%12+1.4%1月(予測)▲6.2%2月(予測)+2.2%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、9月▲3.4%+10+0.3%11+1.6%12+4.4%

・電子部品・デバイスは前月比で、9月▲0.2%10+6.6%11月▲0.9%12+2.0%

   ・輸送機械は前月比で、9+4.2%10+2.2%11月▲1.6%12+2.0%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

2023年の経常収支は、海外からの配当受取等の第一次所得収支が過去最高水準となる中で、コロナ禍前並みの黒字となった。

・財の貿易収支は、自動車等の輸出増加と、鉱物性燃料の価格下落を受けた輸入減少により、2022年に比べ赤字幅が縮小した。

・サービス収支は、輸出面では、インバウンドの回復等を受けて増加した。一方、輸入面では、デジタル関連や保険分野の輸入が

 増加し、収支は引き続き赤字である。デジタルや知財等のサービス分野の競争力強化も重要となる。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、3か月ぶりに下降した

・現状・季節調整値DIは前月差で、10月▲0.411月±0.012+1.01月▲1.6

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、2か月連続で上昇した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、10月▲1.111+1.012+0.11+2.1

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待

   される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある。

・実質GDP成長率は、2310-12月期で前年比+5.2%(前期比+4.1%)。

・消費は持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・財輸出はおおむね横ばいとなっている。

・固定資産投資は伸びがおおむね横ばいとなっている。

・新築住宅販売価格は下落している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価は下落した。

・製造業購買担当者指数(PMI)は持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 韓国では、景気は持ち直しの動きがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ 台湾・タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は拡大している。 先行きについては、拡大が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等による

  下振れリスクに留意する必要がある。

202310-12月期のGDP成長率(1次推計値)は、前期比年率+3.3%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

1月の失業率は3.7%となった。

○ 設備投資は緩やかに増加している。

○ 生産は緩やかに増加した。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は上昇している。

○ コア物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出は緩やかに増加した。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気は弱含んでいる。

 ・2310-12月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で+0.2% (イギリスは▲1.4%、ドイツは▲0.3%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏は弱含んでいる。イギリスは弱い動きとなっている。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏・イギリスともに低下している。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+3.6%1月)、イギリス+5.5%1月)。

○ 財輸出は、ユーロ圏・イギリスともに弱含んでいる。

○ 生産は、ユーロ圏・イギリスともに弱含んでいる。

 

2024年

1月

25日

月例経済報告

 

月例経済報告(R6.1.25)

基調判断

〈現状〉

・景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復して

 いる。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

 もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

 金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の

 下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、

 物価上昇、中東地域をめぐる情勢金融資本市場の変動等の影響に

 十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の経済に

 与える影響に十分留意する必要がある。

 

 

令和6年能登半島地震のストック面での影響試算

○  令和6年能登半島地震では、住宅や道路・港湾施設等のストックの損壊に加え、停電や断水が広範に発生した。これらは、地域住民

  の生活のみならず、生産や物流、観光等を通じて幅広く経済に影響を及ぼしている。

○ 能登半島地震による経済への影響を分析する一環として、東日本大震災や熊本地震の際の試算方法を踏まえ、市町村ごとの震度や

  被害状況に応じて、過去の大地震における損壊率を参照しつつ、ストックの毀損状況を暫定的に試算した。

○ 今回の試算は被害額を積み上げたものではなく、市町村ごとの震度に基づいた機械的な試算であり、幅をもってみる必要がある。

 

世界の経済情勢

○  世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

 先行きについては、持ち直しが続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めや中国における不動産市場の停滞に伴う 影響に

 よる下振れリスクに留意する必要がある。また、中東地域 をめぐる情勢、金融資本市場の変動の影響を注視する必要がある。

 

GDP速報

○  20237-9月期のGDP2次速報では、名目GDPは横ばいの一方、実質成長率は前期比▲0.7%(年率▲2.9%)となった。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

消費者マインドは、昨年秋以降、持ち直しに足踏みがみられていたが、雇用環境の改善や食料品等の物価上昇の落ち着きを反映

 して、再び持ち直している。世帯属性を問わず、持ち直している。

・コロナ禍を経て、オンライン消費は大きく増加した。特に、60代以上の高齢世帯の伸びが大きい。一方、他の主要国と比較すると、

 オンライン消費には更なる拡大の余地がある。

・個人消費に占める分野別支出の割合を他の主要国と比較すると、我が国は、飲食料品の割合が高い一方、娯楽やスポーツ・文化、

 外食・宿泊サービスが低い。これらのサービス消費は、一人当たり支出金額でも、他国より低い。

・この30年間の一人当たり支出額をみると、高齢化で医療関係、IT化で通信関係が伸びる一方、娯楽・スポーツ・文化は減少した。

 余暇時間を比較すると、我が国は、男性を中心に低い水準となっている。働き方改革による長時間労働の抑制、有給休暇取得の促進

 は、ウェルビーイング向上とともに、時間消費型のサービス消費の拡大に資することが期待される。

実質総消費動向指数は、前期比で、8月▲0.1%90.1%10+0.1%110.0%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、8月▲0.9%9月▲1.0%10+0.5%11+0.4%12+1.1%。 

  ・11月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.3%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、横ばいとなっている。輸入物価は、このところ上昇している。

 消費者物価は、このところ緩やかに上昇している。

消費者物価は、食料品値上げ一服により2%台で緩やかに上昇。電気・ガスの激変緩和措置等は、これまでの物価上昇を和らげる

 ことに寄与している。

・コロナ禍以前の米欧の物価上昇はサービスの寄与が大きく、日本でもコロナ禍前に比べてサービスの寄与は高まりつつある。

 人件費の割合が高いサービス分野で、賃金上昇が価格に転嫁され、賃金と物価がともに持続的に上昇していくことが重要となって

 くる。

・物価上昇の主因は、食料品など財からサービスへとシフトしつつある。アメリカでは、物価は、財を中心に落ち着きつつある一方

 で、堅調なサービス需要を背景に2%を上回る伸びとなっている。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は弱含んでいる。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、8+4.4%9月▲1.5%10+1.0%11月▲4.0%

・持家着工数は前月比で、7+1.0%8+5.8%9月▲9.3%10月▲8.4%11+0.9%

・貸家着工数は前月比で、7+1.5%8月▲4.4%9+4.8%10+1.8%11月▲5.6%

・分譲着工数は前月比で、7月▲16.0%8+17.0%9月▲2.0%10+8.5%11月▲6.6%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、7月▲4.3%(出来高+1.7%)、8月▲10.8%(出来高▲0.4%)、9+8.5%(出来高+0.7%)、10月▲7.9%

(出来高▲0.3%)、11+7.0%(出来高▲0.6%)、12+9.2%             

 

雇用・賃金の動向

○ 企業の人手不足感はバブル期以降最高水準に高まる一方で、ハローワーク(公共職業安定所)の有効求人倍率は横ばい傾向と、

  両者に乖離がみられる。デジタル化に伴う求職手段の多様化が進む中、ハローワークを経由した就職者の割合は15%程度まで低下し、

  民間職業紹介所等が増加した。

  ハローワーク利用者は若年層で減少し、高齢者の利用は増加した。

   民間職業紹介を通じた正社員の求人は着実に増加している。さらに、近年は、すき間時間を活用したスポットワークという形で、アプリ

  を通じた短時間の就業のマッチングも増加した。

   転職の希望者は、男女ともに正社員を中心に1,000万人超(就業者の15%)まで増加した。賃金の上昇圧力につながる可能性を含んで

  いる。転職希望者の割合は、男女とも2534歳で最も高く約25%となっている。

   今年の春闘に向け、経営側からは、2023年以上の意気込みと決意が示されており、特に物価動向を重視し、ベースアップを念頭に

  おいた賃金引上げを各企業に要請している。また、労働側からは昨年を大きく上回るベースアップの要求額が示されている

○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

   ・有効求人倍率は、81.2991.29101.30111.28(正社員は1.01)となった。

・完全失業率は、72.7%82.7%92.6%102.5%112.5%となった。

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

○ 設備投資は、持ち直しに足踏みがみられる。

○ 業況判断は、改善している。

  倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20233+16+59+912+1220243+8

  「大企業・非製造業」は、20233+206+239+2712+3020243+24

  「中小企業・製造業」は、20233月▲66月▲59月▲512+120243月▲1

  「中小企業・非製造業」は、20233+86+119+1212+1420243+7

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・生産は、世界的な半導体需要の底打ちから、電子部品・デバイスが持ち直すなど、持ち直しの兆しがみられる。一方、一部自動車

  メーカーにおける国の認証制度に係る不正問題により生産・出荷が停止されたことから、輸送用機械の生産への下押し、サプライ

  チェーン企業への影響に留意が必要である。

・鉱工業生産指数は前月比で、9+0.5%10+1.3%11月▲0.9%12+6.0%(予測)、1月▲7.2%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、8月▲0.5%9月▲3.4%+10+0.3%11+1.6%

・電子部品・デバイスは前月比で、8+0.5%9月▲0.2%10+6.6%11月▲0.9%

   ・輸送機械は前月比で、8月▲3.7%9+4.2%10+2.2%11月▲1.6%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

輸出は、欧州経済の弱さを受けてEU向け輸出が弱含んでおり、持ち直しの動きに足踏みがみられる。工作機械等の金属加工機械

 は中国からの受注が弱く軟調の一方、建設・鉱山用機械は米国向け等で堅調、半導体関連も今後の持ち直しが期待される。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、4か月ぶりに上昇した

・現状・季節調整値DIは前月差で、9月▲3.710月▲0.411月±0.012+1.2

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、2か月ぶりに下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、9月▲1.910月▲1.111+1.012月▲0.3

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待

     される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある。

202310-12月期の成長率は、前期比年率4.1%に減速した。国内需要が伸び悩む中、一部品目は輸出に向かい、輸出価格は

  下落傾向にある。不動産市場の停滞が続き、住宅価格は下落傾向となっている。若年失業率は12月は14.9%と高水準となった。

・実質GDP成長率は、2310-12月期で前年比+5.2%(前期比+4.1%)。

・消費は持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・財輸出はおおむね横ばいとなっている。

・固定資産投資は伸びがおおむね横ばいとなっている。

・新築住宅販売価格は下落している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価は下落した。

・製造業購買担当者指数(PMI)は持ち直しの動きがみられる。

○ 韓国では、景気は持ち直しの動きがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ 台湾・タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は回復している。 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等による

     下振れリスクに留意する必要がある。

20237-9月期のGDP成長率(3次推計値)は、前期比年率+4.9%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

12月の失業率は3.7%となった。

○ 設備投資はこのところ増勢が鈍化している。

・設備投資は、インフレ抑制法や半導体法等を受けて、製造業による投資が大幅に増加したことにより、構築物投資(工場建設等)

  が増加傾向となっている。

○ 生産は緩やかに増加した。

○ 消費は増加しており、自動車販売台数はおおむね横ばいとなっている。

背景には家計のバランスシートの改善があり、総資産に対する負債の比率は過去 20年間で最低水準となっている。ただし、

  低所得者層の預金水準はコロナ禍前を下回っている。クレジットカードローンの 新規延滞率は上昇傾向であるが、過去に比べ

  低水準となっている。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は上昇している。

○ コア物価上昇率はこのところおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出は緩やかに増加した。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気は弱含んでいる。

 ・237-9月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で▲0.5% (イギリスは▲0.5%、ドイツは▲0.5%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏は弱含んでいる。イギリスは弱い動きとなっている。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスは上昇している。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏・イギリスともに低下している。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+3.9%12月)、イギリス+5.8%12月)。

○ 財輸出は、ユーロ圏・イギリスともに弱含んでいる。

○ 生産は、ユーロ圏・イギリスともに弱含んでいる。

2023年

12月

19日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.12.19)

基調判断

〈現状〉

・景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復して

 いる。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

 もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

 金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の

 下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、

 物価上昇、中東地域をめぐる情勢金融資本市場の変動等の影響に

 十分注意する必要がある。

 

 

世界の経済情勢

○  世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

・欧米の物価上昇率は低下傾向にある中で、政策金利は秋以降据置きとなった。今後も物価上昇率は低下する見通しとなって

 いる。

2024年の世界経済は、これまでの欧米の金融引締め等を受けて、やや減速する見通しとなっている。

 なお、アメリカの年末商戦は、ネット販売等が好調であり、足下の消費は増加基調となっている。

・中国では、不動産市場の停滞が継続している。不動産貸出残高の対GDP比は2020年にピークアウトしたが、日本のバブル期

 よりも規模が大きい。

消費者物価は、特殊要因もあり下落した。

・台湾の景気は、世界的に半導体需要が持ち直す中で持ち直しの動きとなっている。輸出は情報通信機器が急増した。

・今後、中国の成長率は徐々に低下する中で、インド、ASEANの成長率が上回っていく見通しとなっている。

 

GDP速報

○  20237-9月期のGDP2次速報では、名目GDPは横ばいの一方、実質成長率は前期比▲0.7%(年率▲2.9%)となった。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

家計可処分所得は、名目では雇用者報酬を中心に増加基調だが、物価上昇に追いついておらず、実質で減少した。総合経済対策

 の着実な実行により、名目可処分所得が物価上昇を上回る状況を確かなものとする必要がある

新型コロナの5類移行後初の年末年始となり、鉄道予約や国内旅行人数はほぼコロナ前に回復の見込みとなっており、忘年会・

 新年会開催も増加となった。

・POSデータ(どの商品が、いつ・どこで・いくらで・どのくらい販売されたか、という情報を含む販売実績のデータ)では、コンビニは価格

 転嫁で販売数量は減少しているが、商品入替もあって売上高は増加が継続している。

実質総消費動向指数は、前期比で、70.0%8月▲0.1%90.0%10+0.1%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、7+0.9%8月▲0.9%9月▲1.0%10+0.5%11+0.4%。 

  ・10月の実質総雇用者所得は、前期比で▲1.2%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、横ばいとなっている。輸入物価は、このところ上昇している。

 消費者物価は、このところ上昇テンポが緩やかになっている。

財の企業間取引価格を示す国内企業物価指数は、2021年以降、世界的な物価上昇を起点に上昇してきたが、 足下では、資源

 価格の下落の影響もあって横ばいで推移している。

サービスの企業間取引価格を示す企業向けサービス価格指数は、財に遅れて、価格転嫁が進み、2022年以降緩やかに上昇して

いる。

・この結果、財・サービスともに、コロナ前の物価が動かない状態から、幅広い品目にわたって物価が上昇する姿に変化しつつ

 ある。

・消費者物価は、前年同月比の上昇率が低下傾向にあるなど、上昇テンポが緩やかとなった。

背景には、食料品等で値上げが一服したことによる上昇幅の縮小がある。

・こうした中、5%以上の高い物価上昇を予測する家計の割合は縮小し、5%未満を予想する家計の割合が、2022年2月以来、初めて

 逆転した。

・物価上昇品目の割合は増加し、広がりが見られつつあり、デフレ前の1980年代の姿に近くなっている。

  企業の価格転嫁の動向

  素材型製造業では、 2008年のリーマンショック前に仕入価格が大きく上昇した時は販売価格の上昇は限定的 だったが、

  今回の物価上昇局面では、仕入価格が2008年並みに上昇する中、販売価格への転嫁が進んだ。

  加工型製造業や非製造業では、この30年間、販売価格引上げ企業の割合が十分高まらなかったが、今回は販売価格への

  転嫁が進展した。なお、非製造業は、1980年代~90年代初めは仕入と販売価格の動向が連動している。

  仕入価格の販売価格への転嫁は、デフレに陥る前の1990年代前半までの姿に近づいている可能性がある。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は弱含んでいる。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、7月▲4.1%8+4.4%9月▲1.5%10+1.0%

・持家着工数は前月比で、6+0.1%7+1.0%8+5.8%9月▲9.3%10月▲8.4%

・貸家着工数は前月比で、6月▲8.9%7+1.5%8月▲4.4%9+4.8%10+1.8%

・分譲着工数は前月比で、6月▲5.9%7月▲16.0%8+17.0%9月▲2.0%10+8.5%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、7月▲4.3%(出来高+1.7%)、8月▲10.8%(出来高▲0.4%)、9+8.5%(出来高+0.7%)、10月▲7.9%

  11+7.0%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

   ・企業が賃上げで重視した要素は、「労働力確保」がバブル期以来、「物価動向」が40年ぶりの高さにとなった。

  ・中小企業では、原材料費に比べ、労務費の転嫁ができていない。持続的な賃上げの実現に向けて、労務費を転嫁できる取引

     環境の整備が重要である。

  ・本年10月の最低賃金引上げにより、コンビニやファストフードを中心に募集時賃金が上昇した。

 配偶者のいる非正規雇用の女性では、「年収の壁」を超える労働時間で働く人が増えている可能性がある。

・有効求人倍率は、71.2981.2991.29101.30(正社員は1.01)となった。

・完全失業率は、62.5%72.7%82.7%92.6%102.5%となった。

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

   ・20237-9月期は、企業の経常利益・営業利益ともに過去最高となった。売上高に対する利益の比率も過去最高水準となった。

  企業部門の好調さを設備投資や賃金に回していくことが重要。

・非製造業の業況判断DIは、引き続き、バブル期以降の最高水準となった。

製造業 では、大企業の業況判断DIが3期連続で改善し、中小企業も20193月以来初めてプラスに転じた。

○ 設備投資は、持ち直しに足踏みがみられる。

2023年度の企業の設備投資計画は、12月時点で前年度比+12.6%と、引き続き投資マインドは堅調である。

・機械投資は、受注残高は高水準。実際に工場等に納入された時点で、投資として顕在化している。

・建設投資(出来高)は、2022年前半着工の大型案件の工事進捗の一服もあって減少しているが、2023年秋か ら着工は再び増加

  しており、今後の投資として計上される見込みとなっている。

・ソフトウェア投資は非製造業を中心に増加傾向が続き、研究開発投資も堅調に増加の見込みとなっている。

○ 業況判断は、改善している。

  倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20233+16+59+912+1220243+8

  「大企業・非製造業」は、20233+206+239+2712+3020243+24

  「中小企業・製造業」は、20233月▲66月▲59月▲512+120243月▲1

  「中小企業・非製造業」は、20233+86+119+1212+1420243+7

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・鉱工業生産指数は前月比で、8月▲0.7%9+0.5%10+1.3%11月(予測)▲0.3%12月(予測)+3.2%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、7月▲4.8%8月▲0.5%9月▲3.4%+10+0.3%

・電子部品・デバイスは前月比で、7月▲5.1%8+0.5%9月▲0.2%10+6.6%

   ・輸送機械は前月比で、7+0.4%8月▲3.7%9+4.2%10+2.2%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 消費者マインドは、持ち直しに足踏みがみられる。

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、前月と同値となった。

・現状・季節調整値DIは前月差で、8月▲0.89月▲3.710月▲0.411月±0.0

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、4か月ぶりに上昇した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、8月▲2.79月▲1.910月▲1.111+1.0

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが

      期待される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある。

・実質GDP成長率は、237-9月期で前年比+4.9%(前期比+1.3%)。

・消費は持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・財輸出はおおむね横ばいとなっている。

・固定資産投資は伸びが低下している。

・新築住宅販売価格は下落している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価は下落した。

・製造業購買担当者指数(PMI)は持ち直しの動きがみられる。

○ 韓国・台湾では、景気は持ち直しの動きがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は回復している。 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等

     による下振れリスクに留意する必要がある。

20237-9月期のGDP成長率(2次推計値)は、前期比年率+5.2%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

11月の失業率は3.7%となった。

○ 設備投資はこのところ増勢が鈍化している。

○ 生産は緩やかに増加した。

○ 消費は増加しており、自動車販売台数はおおむね横ばいとなっている。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は上昇している。

○ コア物価上昇率はこのところおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出は緩やかに増加した。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気は弱含んでいる。

 ・237-9月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で▲0.5% (イギリスは▲0.1%、ドイツは▲0.5%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏は弱含んでいる。イギリスは弱い動きとなっている。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスは上昇している。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏は低下している。イギリスはこのところ低下している。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+4.2%11月)、イギリス+6.3%10月)。

○ 財輸出は、ユーロ圏・イギリスともに弱含んでいる。

○ 生産は、ユーロ圏・イギリスともに弱含んでいる。

 

2023年

11月

22日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.11.22)

基調判断

〈現状〉

・景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復して

 いる。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果 

 もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

 金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の

 下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、

 物価上昇、中東地域をめぐる情勢金融資本市場の変動等の影響に

 十分注意する必要がある。

 

 

世界の経済情勢

○  世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

  先行きについては、持ち直しが続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めや中国における不動産市場の停滞に

  伴う影響、物価上昇等による下振れリスクに留意する必要がある。また、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動の

  影響を注視する必要がある。

○ アメリカは、雇用の増勢がコロナ禍前の景気拡大局面の平均水準まで落ち着きつつあり、物価上昇率が低下傾向にある

  中で、政策金利はこのところ据置きとなっている。

○ ユーロ圏経済、ドイツ経済及び英国経済は弱含みとなっている。 ドイツの個人消費は、2021年後半以降、横ばいで、背景

  には、名目賃金の伸びが物価上昇を超えない状況がある。一方、スペインは、名目賃金の伸びが物価上昇を上回り、個人

  消費は持ち直し基調、経済も堅調となっている。

 

GDPの動向と供給力強化に向けた課題

○  20237-9月期のGDP1次速報では、名目GDPは横ばいの一方、実質成長率は前期比▲0.5%(年率▲2.1%)と3期ぶりに

  マイナスとなった。

○ 上場企業の決算をみると、経常利益は、7-9月期としては過去最高を更新した一方、企業の設備投資は、名目では2期ぶり

  に増加したものの、実質では2期連続の減少となり、持ち直しに足踏みがみられた。

○ 198090年代の景気拡大局面では、労働投入の寄与がわずかなプラスないしマイナスの中、資本投入と生産性の伸びが、

  潜在成長率を引き上げていたが、近年はこれらの寄与が縮小している。供給力(潜在成長率)引上げのためには、国内の新規

  投資拡大、研究開発や人への投資を通じた生産性向上が喫緊の課題となってくる。

 

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

○ 名目では増加した一方、実質では物価上昇の影響もあり横ばいになった。雇用者報酬は、名目では増加基調にある一方、

  実質は、物価上昇の影響で二期ぶりに減少した。

7-9月の個人消費は、過半を占めるサービスの増加が継続した一方、耐久財を中心に財が減少した。財は、物価上昇の影響

 のほか、工場停止を受けた自動車の国内向け販売の減少という一時的要因も影響した。

・外食サービスは、名目・実質ともに緩やかな増加基調にあり、コロナ前水準を超える。コロナ禍で控えられていた年末の

 外食需要にも期待できる。

・小売販売を業態別にみると、低価格の食品への需要増加等もあり、ドラッグストアの売上が堅調である

実質総消費動向指数は、前期比で、70.0%8月▲0.1%90.0%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、6+0.2%7+0.9%8月▲0.9%9月▲1.0%10+0.5%。 

  ・9月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.4%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、横ばいとなっている。輸入物価は、このところ上昇している。

消費者物価は、上昇している。

・食料品は値上げの一服で上昇幅が縮小する一方、生鮮食品は上昇幅が拡大した。特に、猛暑による生育不良でトマトなどの

 野菜の価格が高騰している。

・コロナ前と比べると、財の物価上昇に広がりがみられる。サービス業では、労務費増加分の価格転嫁が相対的に限定的と

 なった。賃金と物価の好循環の実現に向け、適切な価格転嫁の促進が鍵となる。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は弱含んでいる。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、6月▲5.9%7月▲4.1%8+4.4%9月▲1.5%

・持家着工数は前月比で、5+0.1%6月▲0.5%7+1.0%8+5.8%9月▲9.3%

・貸家着工数は前月比で、511.3%6月▲8.9%7+1.5%8月▲4.4%9+4.8%

・分譲着工数は前月比で、5+23.7%6月▲5.9%7月▲16.0%8+17.0%9月▲2.0%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、6+5.1%(出来高▲5.0%)、7月▲4.3%(出来高+1.7%)、8月▲10.8%(出来高▲0.4%)、9+8.5%

(出来高+0.7%)、10月▲7.9%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

  ・就業者数を産業別に見ると、過去5年間で、医療・福祉、情報通信等で大きく増加する一方、卸売・小売では減少、コロナ

  で大きく減少した宿泊・飲食等は、回復するも依然コロナ前を下回る。

・公定価格の医療・福祉等を除く産業計では、春闘賃上げを反映し、所定内給与で2%程度賃金上昇した。

・ 年末のボーナスは、好調な企業収益等も背景に、現時点では、夏以上の高い伸びが見込まれている。

・我が国の実質賃金上昇率は昨年からマイナスが継続している一方、欧米では足下で前年比プラスに転化した。

・長期的にみると、アメリカでは20年間で平均名目賃金が1.9倍に増加した一方、我が国では横ばいとなっている。職種別に

 比較すると、弁護士、ソフトウェア開発、大学教員、トラック運転手などでアメリカとの差が大きい。

・多くの主要国では、長期的に名目賃金上昇率が物価上昇率を上回って推移しているが、日本では、長期的には両者ともゼロ近傍

 となっている。

・有効求人倍率は、61.3071.2981.2991.29(正社員は1.02)となった。

・完全失業率は、52.6%62.5%72.7%82.7%9+2.6%となった。

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

○ 設備投資は、持ち直しに足踏みがみられる。

○ 業況判断は、総じてみれば緩やかに改善している。

・ 倒産件数は、コロナ禍を経て経済社会活動が正常化する中、昨年秋以降は増加傾向で推移している。飲食等のサービス業を中心

  に、小規模な事業者の倒産が増加した。

  民間金融機関を通じた実質無利子無担保融資(ゼロゼロ融資)を受けた中小企業の状況をみると、本年8月末にかけて、据置期間

 中の割合が低下し、完済または借り換えの割合が増加した。条件変更や代位弁済の割合は微増となっている。

  長期的にみると、足下は、件数・負債金額別の構成比ともにコロナ前と同程度である。なお、バブル期前の1980年代半ばは1500

 前後で、負債金額の構成も異なっていた。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、202212+720233+16+59+912+10

  「大企業・非製造業」は、202212+1920233+206+239+2712+21

  「中小企業・製造業」は、202212月▲220233月▲66月▲59月▲512月▲2

  「中小企業・非製造業」は、202212+620233+86+119+1212+8

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・鉱工業生産指数は前月比で、7月▲1.8%8月▲0.7%9+0.5%10月(予測)+3.9%11月(予測)▲2.8%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、6+3.0%7月▲4.8%8月▲0.5%9月▲3.4%

・電子部品・デバイスは前月比で、6+6.8%7月▲5.1%8+0.5%9月▲0.2%

   ・輸送機械は前月比で、6月▲2.8%7+0.4%8月▲3.7%9+4.2%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 消費者マインドは、持ち直しに足踏みがみられる。

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、3か月連続で下降した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、7+0.88月▲0.89月▲3.710月▲0.4

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、3か月連続で下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、7+1.38月▲2.79月▲1.910月▲1.1

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが

   期待される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある。

・実質GDP成長率は、237-9月期で前年比+4.9%(前期比+1.3%)。

・消費は持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・財輸出は弱含みとなっている。

・固定資産投資は伸びが低下している。

・新築住宅販売価格は下落している。

・都市部調査失業率はこのところ低下となっている。

・消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

・製造業購買担当者指数(PMI)は持ち直しの動きがみられる。

○ 韓国・台湾では、景気は持ち直しの動きがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は回復している。 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等に

   よる下振れリスクに留意する必要がある。

20237-9月期のGDP成長率(1次推計値)は、前期比年率+4.9%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

10月の失業率は3.9%となった。

○ 設備投資はこのところ増勢が鈍化している。

○ 生産は緩やかに増加した。

○ 消費は増加しており、自動車販売台数はおおむね横ばいとなっている。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は上昇している。

○ コア物価上昇率はこのところおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出は緩やかに増加した。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気は弱含んでいる。

 ・237-9月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で▲0.2% (イギリスは▲0.1%、ドイツは▲0.1%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏は弱含んでいる。イギリスは弱い動きとなっている。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスは上昇している。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏は低下している。イギリスはこのところ低下している。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+5.0%10月)、イギリス+6.3%10月)。

○ 財輸出は、ユーロ圏・イギリスともにおおむね横ばいとなっている。

○ 生産は、ユーロ圏は弱含んでいる。イギリスはおおむね横ばいとなっている。

 

2023年

10月

30日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.10.30)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、

中東地域をめぐる情勢金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。

 

 

世界の経済情勢

○  世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

  先行きについては、持ち直しが続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めや中国における不動産市場の停滞に伴う

  影響、物価上昇等による下振れリスクに留意する必要がある。また、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動の影響を注視

  する必要がある。

○ アメリカは、個人消費主導で堅調な成長が続き、景気は回復している。

中国は、不動産市場の停滞や輸出の弱含みが続く中で、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。

欧米の物価上昇率は低下傾向にある。

   世界の半導体出荷高は足下では底打ちの動きとなっている。今後は各国の半導体生産や輸出が増加する可能性がある。

   中国の貿易構造をみると、2020年以降、EV等を中心に自動車輸出が大幅に増加している。特に、「一帯一路」沿線の中央

   アジア・西アジア・ロシア等への輸出が急増している。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

・飲食や宿泊などサービス消費は持ち直しが継続している。家電販売のうち、エアコンや洗濯機は猛暑の影響や共働き需要も

  あって増加し、携帯電話は新製品の発売もあり増加した。

・一方、消費者マインドは、食料など身近な品目の物価上昇率の高止まりもあり、持ち直しに足踏みがみられる。40年ぶりの

  物価上昇に直面する中、消費者心理は物価動向に、より影響を受けるようになっている。

30年ぶりとなる新たな経済ステージへの移行の好機を逃さず、賃金と物価の好循環に着実に結び付けていくためには、物価

  上昇を上回る継続的な賃上げを実現する中で消費が増加していくことが重要である

実質総消費動向指数は、前期比で、60.0%7+0.1%8月▲0.1%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、5+0.6%6+0.2%7+0.9%8月▲0.9%9月▲1.0%。 

  ・8月の実質総雇用者所得は、前期比で▲0.1%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、このところ横ばいとなっている。輸入物価は、おおむね横ばいとなっている。

  消費者物価は、上昇している。

・原油価格は産油国の減産などで本年7月頃から再び上昇し、足下では中東情勢の影響もみられる。それに伴いガソリン価格も

  上昇してきたが、9月からは激変緩和事業の新たな措置により、足下では175円程度に抑制されている。

・輸入物価は足下で上昇傾向に転じており、今後の川下の物価への波及にも注意が必要である。

・消費者物価は足下で前年比3%程度で推移。その中で、子育て関係の物価については、授業料や保育料は抑制されている一方、

  塾・習い事、紙おむつなどで上昇した。

・食料品価格の上昇が続く中、消費者は、保存性のある品目は低価格の商品にシフトしている可能性がある。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設はこのところ弱含んでいる。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、5+11.8%6月▲5.9%7月▲4.1%8+4.5%

・持家着工数は前月比で、4月▲0.8%5+0.1%6月▲0.5%7+1.0%8+5.8%

・貸家着工数は前月比で、4月▲12.9%511.3%6月▲8.9%7+1.5%8月▲4.4%

・分譲着工数は前月比で、4月▲19.8%5+23.7%6月▲5.9%7月▲16.0%8+17.0%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、5+3.0%(出来高+2.8%)、6+5.1%(出来高▲5.0%)、7月▲4.3%(出来高+1.7%)、8月▲10.8%

 (出来高▲0.4%)、9+8.5%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

   ・デフレに陥る前の1980年代や90年代前半までは、物価上昇を上回って名目賃金が伸びていたため、実質賃金の伸びがプラス

     で推移してきた一方、足下では、物価上昇が名目賃金の伸びを上回り、実質賃金の下落が継続した。デフレ脱却に向けて、

     物価上昇に負けない名目賃金の継続的な上昇が重要となってくる。

   ・宿泊・飲食サービス等の業種では、人手不足感が強まる中で、賃金上昇率に高まりがみられる。

  ・追加的に労働供給を望み、働くことができる人口は約530万人となった。人手不足の中、意欲のある就業者・就業希望者の

     持てる力を十分に発揮できる環境整備が喫緊の課題である。

   ・労働時間の追加希望がある就業者には、「年収の壁」対策に加え、副業・兼業や転職の後押しが重要となってくる。

   ・仕事内容や勤務条件等のミスマッチに対しては、効果的なマッチングやリ・スキリングの支援、多様で柔軟な働き方の促進が

     重要となってくる。

・有効求人倍率は、51.3161.3071.2981.29(正社員は1.02)となった。

・完全失業率は、42.6%52.6%62.5%72.7%82.7%となった。

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

   ・ 中小企業の製造業では厳しさが残るものの、コロナ禍から平時へと移行する中、非製造業の業況判断DIは、大企業・中小

      企業ともにバブル期以降の最高水準となった。

・業況が改善する中で、人手不足への対応が課題となっている。雇用人員判断は、業種・規模にかかわらず人手不足感が強まって

  いるが、とりわけ中小企業の非製造業では、人手不足感が過去最高水準となっている。

・非製造業の人手不足感は、コロナ禍後の経済正常化やインバウンド復活で需要が回復している宿泊・飲食、建設、運輸など

  幅広い業種で拡大した。これら分野の求人倍率は平均を大きく上回る。

・多くの企業は、採用増加等により人手不足に対応している一方、省力化投資を行っている企業は未だ限定的で、人手不足が

  厳しい業種では省力化・省人化投資への後押しが重要となってくる。

○ 設備投資は、持ち直している。

・今年度の企業の設備投資計画は前年度比13%増加と、投資マインドは引き続き堅調となっている。ただし、中小企業では、

  非製造業で投資意欲の高まりがみられる一方、製造業はやや弱めの伸びである点に留意しなければならない。

  ・非製造業では、業況が改善し人手不足感が高まる中で、設備にも不足感がある。省力化投資や高付加価値化に資する投資へ

    の後押しが重要となってくる。製造業の投資計画は、各地域で堅調である。半導体関連の集積が進む九州では、製造・非製造業

    ともに他地域に比べて伸びが顕著となっている。

○ 業況判断は、総じてみれば緩やかに改善している。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、202212+720233+16+59+912+10

  「大企業・非製造業」は、202212+1920233+206+239+2712+21

  「中小企業・製造業」は、202212月▲220233月▲66月▲59月▲512月▲2

  「中小企業・非製造業」は、202212+620233+86+119+1212+8

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・鉱工業生産指数は前月比で、6+2.4%7月▲1.88月▲0.7%9月(予測)+5.8%10月(予測)+3.8%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、5+3.6%6+3.0%7月▲4.8%8月▲0.5%

・電子部品・デバイスは前月比で、50.0%6+6.8%7月▲5.1%8+0.5%

   ・輸送機械は前月比で、5月▲4.0%6月▲2.8%7+0.4%8月▲3.7%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、2か月連続で下降した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、6月▲1.47+0.88月▲0.89月▲3.7

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、2か月連続で下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、6月▲1.67+1.38月▲2.79月▲1.9

  

アジア経済の動向  

 

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。  先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが

     期待される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある。

・実質GDP成長率は、237-9月期で前年比+4.9%(前期比+1.3%)。

・消費は持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・輸出はこのところ弱含みとなっている。

・固定資産投資は伸びが低下している。

・新築住宅販売価格はこのところ下落している。

・都市部調査失業率はこのところ低下となっている。

・消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

・製造業購買担当者指数(PMI)はこのところ持ち直しの動きがみられる。

○ 韓国では、持ち直しの兆しがみられる。

○ 台湾では、景気は下げ止まりの兆しがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は回復している。 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等に

     よる下振れリスクに留意する必要がある。

20234-6月期のGDP成長率(3次推計値)は、前期比年率+2.1%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

9月の失業率は3.8%となった。

○ 設備投資は緩やかに増加している。

○ 消費は増加しており、自動車販売台数はおおむね横ばいとなっている。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は上昇している。

○ コア物価上昇率はこのところやや低下した。

○ 財輸出は緩やかに増加した。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・イギリスでは、景気はこのところ足踏み状態に、ドイツでは弱含んでいる。

 ・234-6月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で+0.6% (イギリスは+0.8%、ドイツは+0.1%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏はおおむね横ばいとなっており、イギリスは弱含んでいる。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスは上昇している。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏・イギリスともにこのところ低下している。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+5.5%9月)、イギリス+6.8%9月)。

○ 輸出は、ユーロ圏・イギリスともにおおむね横ばいとなっている。

○ 生産は、ユーロ圏は横ばい、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

2023年

9月

26日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.9.26)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

 もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

 金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の

 下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価

 上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。

 

 

世界の経済情勢

○  アメリカ経済は回復しているものの、中国は持ち直しの動きに足踏み、ドイツを始め欧州も足踏み状態となっている。

○  24年の世界経済は減速の見通しとなった。中国における不動産市場の停滞による下振れリスクに注意する必要がある。

 ・中国の輸出入は、18年以降、米中貿易摩擦を受け減速している。感染症収束後の現在も輸出入ともに弱含んでいる。

 ・ドイツは、中国向け輸出が20年以降停滞している。景況感は大幅に悪化した。ドイツ政府は、国内企業の競争力強化の

  ための経済対策を発表した。

  「経済拠点としてのドイツのための計画」 (8/29公表)ポイント

 〇「成長機会法」を決定

 2028年まで年間70億ユーロ(1.1兆円)規模

 ・研究開発費用の損金算入を現行の3倍へ引上げ。

 ・グリーン技術投資に対して15%を補助。

 ・中小企業への研究開発補助金の補助率 を引上げ(25%35%)。 等

 

日本の実質GDP成長率

○  20234-6月期(2次速報)の実質GDP成長率は、前期比+1.2%(年率+4.8%)となり、実質GDPはコロナ前の水準を

  超え、過去最高になった。

 ・GDPギャップは解消に向かい、234-6月期には、33四半期ぶりにプラスに転換したものの小幅であり、また、外需

  高い伸びによるものである。今後、内需中心の成長により、プラス傾向が安定的に続いていくことが重要となる。

 ・一方、潜在成長率(潜在GDPの伸び率)は、G7諸国の中で最も低い。供給力の強化が課題である。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

・雇用・所得環境の改善が続く下、家計調査(2人以上世帯)は弱い一方で、供給側の動きを捉えた指標やカード支出データ等の

 様々な指標によると、個人消費は持ち直してきている。

・物価高が続く中で、相対的に低所得の世帯における消費動向には注意が必要である。消費支出に占める食料品やエネルギーの

 シェアは、収入が低い世帯ほど高い。また、消費者マインドを見ると、収入が低い世帯ほど「暮らし向き」の回復が弱いなど、

 所得階層間のバラツキが拡大した。

・個人金融資産残高はコロナ禍で積みあがった貯蓄(超過貯蓄)もあって2,115兆円まで増加したが、これが消費に向かうことが

 期待される。また、米欧と比べ現金・預金の比率が高く、物価が上昇する中、貯蓄から投資に回っていくことが重要である

実質総消費動向指数は、前期比で、5月▲0.2%60.0%7+0.2%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、4+1.5%5+0.6%6+0.2%7+0.9%8月▲0.9%。 

  ・7月の実質総雇用者所得は、前期比で▲1.2%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、このところ横ばいとなっている。輸入物価は、おおむね横ばいとなっている。

 消費者物価は、上昇している。

・消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、激変緩和措置等によりエネルギー価格が抑制される中で、前年比3%程度で推移

 している。その構成は、財(食料やエネルギー等)、サービス(家賃や外食・宿泊等)が半々となっている。

・消費者物価上昇の主因である食料品価格は、ロシアによるウクライナ侵略等を受けた世界的な価格高騰等により、食パン

 をはじめ、幅広い品目で価格が上昇した。

・サービス物価は、宿泊料・外食等で大きく上昇している。その他サービスでも、家賃や公共サービスを除き、上昇率が

 高まっている。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設はこのところ弱含んでいる。 

・住宅着工は、持家や分譲住宅を中心に弱含んでいる。木材価格の上昇は一服したものの、コンクリート等の資材価格は上昇

 した。加えて、労務費上昇もあり、建築費が高止まりしていることが主な背景としてある。

・首都圏マンション新規販売平均価格は、都区部の高価格マンション供給の影響もあり上昇した。住宅リフォームは、補助事業

 の効果もあり、23年以降増加がしつつある。

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、4月▲12.1%5+11.8%6月▲5.9%7月▲4.1%

・持家着工数は前月比で、3月▲8.0%4月▲0.8%5+0.1%6月▲0.5%7+1.0%

・貸家着工数は前月比で、3+9.8%4月▲12.9%511.3%6月▲8.9%7+1.5%

・分譲着工数は前月比で、3+0.1%4月▲19.8%5+23.7%6月▲5.9%7月▲16.0%

   公共投資は、堅調に推移している。

・請負金額は前月比で、4月▲4.1%(出来高+2.9%)、5+3.0%(出来高+2.8%)、6+5.1%(出来高▲5.0%)、7月▲4.3%

(出来高+1.7%)、8月▲10.8%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

  ・有効求人倍率は、41.3251.3161.3071.29(正社員は1.02)となった。

・完全失業率は、32.8%42.6%52.6%62.5%72.7%となった。

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

   ・ 234-6月期の経常利益は過去最高を更新した。今年度の設備投資計画に おいて、大企業・中小企業ともにデジタル化や

   省力化を背景にしたソフトウェア投資を最も重視する傾向にある。

・本業による収益である営業利益も総じてみれば増加した。ただし、中小企業では、製造業は2期連続の減益となり、設備

 投資も減少した。継続的な賃上げに向け、適切な価格転嫁とともに、中小企業が設備投資を進め、本業の収益力を高める

 ための後押しが重要となってくる。

・インバウンドは2019年の9割弱まで回復した。インバウンド需要もあり、宿泊・飲食サービスではコロナ禍前と同水準まで

 人手不足感が拡大し、宿泊料や外食の価格は上昇した。

・宿泊・飲食業の設備投資計画は、全産業平均と比べて弱い。売上げ拡大のチャンスを取りこぼさないよう、省力化投資を

 通じた効率化や、高付加価値化・差別化を通じた価格設定力強化が課題となってくる。

○ 設備投資は、持ち直している。

○ 業況判断は、持ち直している。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20229+812+720233+16+59+9

  「大企業・非製造業」は、20229+1412+1920233+206+239+20

  「中小企業・製造業」は、20229月▲412月▲220233月▲66月▲59月▲1

  「中小企業・非製造業」は、20229+212+620233+86+119+7

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・鉱工業生産指数は前月比で、5月▲2.2%6+2.4%7月▲1.88月(予測)+2.6%9月(予測)+2.4%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、4月▲6.3%5+3.6%6+3.0%7月▲4.8%

・電子部品・デバイスは前月比で、4+6.9%50.0%6+6.8%7月▲5.1%

   ・輸送機械は前月比で、4+3.5%5月▲4.0%6月▲2.8%7+0.4%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、1か月ぶりに下降した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、5+0.46月▲1.47+0.88月▲0.8

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、1か月ぶりに下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、5月▲1.36月▲1.67+1.38月▲2.7

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。 先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが

   期待される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意する必要がある

・実質GDP成長率は、234-6月期で前年比+6.3%(前期比+0.8%)。

・消費は持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・輸出はこのところ弱含みとなっている。

・固定資産投資は伸びが低下している。

・新築住宅販売価格はこのところ下落している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

・製造業購買担当者指数(PMI)はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 韓国では、持ち直しの兆しがみられる。

○ 台湾では、景気は下げ止まりの兆しがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は回復している。 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等に

  よる下振れリスクに留意する必要がある。

20234-6月期のGDP成長率(2次推計値)は、前期比年率+2.1%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

8月の失業率は3.8%となった。

○ 設備投資は緩やかに増加している。

○ 消費は増加しており、自動車販売台数はおおむね横ばいとなっている。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は上昇している。

○ コア物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出はおおむね横ばいとなっている。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気はこのところ足踏み状態にある。

 ・234-6月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で+0.5% (イギリスは+0.8%、ドイツは+0.1%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏はおおむね横ばいとなっており、イギリスは弱含んでいる。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスは上昇している。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏はこのところ低下している。イギリスはおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+6.2%8月)、イギリス+7.1%8月)。

○ 輸出は、ユーロ圏・イギリスともにおおむね横ばいとなっている。

○ 生産は、ユーロ圏は横ばい、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

2023年

8月

28日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.8.28)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

 

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、

金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。

 

 

日本の実質GDP成長率

○  20234-6月期(1次速報)の実質GDP成長率は、前期比+1.5%(年率+6.0%)となった。

234-6月は、供給制約の緩和やインバウンド回復に伴う輸出増など外需に牽引され、3期連続のプラス成長となった。

 GDP水準は、名目に続き実質でも過去最高になった。

・実質個人消費は、2期連続増加の後、物価上昇の影響もあり減少した。一方、設備投資については、実質は、ソフトウェア

 投資の増加により、2期連続で増加し、名目は、過去最高を更新し100兆円に達した。

・雇用者報酬は、名目で増加が続く中、実質も7期ぶりにプラスに転換した。今後も、30年ぶりの高い賃上げとなった春闘結果

 の反映や今年10月の最低賃金引上げが、所得環境の改善につながる見込みとなっている。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

234-6月期の消費は、物価上昇の影響もあって、食料品等の非耐久財や家電等の耐久財が減少した一方、経済活動正常化

 によりサービスの回復は継続している。家電は、巣ごもり需要による増加の後、多くの世帯で買い替え時期を迎えておらず、

 エアコン、冷蔵庫、テレビ、パソコン等の販売は弱い状況が継続している。

・消費者マインドは、雇用環境の改善等を背景に持ち直しが継続している。一方、8月は台風の影響があり、お盆期間の国内

 交通利用は、前年よりは回復したもののGWよりは弱いうごきとなった。また、例年よりも猛暑日が多く、空調の効いた商業

 施設等ではプラスの影響がみられるが、屋外型レジャー施設にはマイナスに影響した。

実質総消費動向指数は、前期比で、4月▲0.1%5月▲0.1%60.0%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、3+2.6%4+1.5%5+0.6%6+0.2%70.9%。 

  ・6月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.1%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、緩やかに下落している。輸入物価は、このところ下落テンポが鈍化した。

消費者物価は、上昇している。

・消費者物価上昇の約7割は食料品である。電気・ガス代は、政策効果や既往の資源価格の低下により下落している。

 8月については、円安の進行等を背景に、ガソリン価格が上昇した。特にガソリン支出額の多い地方の消費者にとっては家計

 の負担が増加した。

・アメリカに比べ、我が国は、サービス部門の賃金と物価の伸びがともに緩慢となっている。ただし、足下では、サービスの

 正規価格で改定頻度が上昇しており、これまでの価格が動きにくい状況に構造的な変化の兆しがみられる。賃上げの継続と

 適切な価格転嫁を通じて、賃金と物価がともに持続的・安定的に上昇していくことが重要となる。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設はおおむね横ばいとなっている。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、3+2.0%4月▲12.1%5+11.8%6月▲5.9%

・持家着工数は前月比で、3月▲8.0%4月▲0.8%5+0.1%6月▲0.5%

・貸家着工数は前月比で、3+9.8%4月▲12.9%511.3%6月▲8.9%

・分譲着工数は前月比で、3+0.1%4月▲19.8%5+23.7%6月▲5.9%

   公共投資は、堅調に推移している。

・請負金額は前月比で、3月▲22.8%(出来高+2.9%)、4月▲4.1%(出来高+2.8%)、5+3.0%(出来高▲5.0%)、6+5.1%

 7月▲4.3%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、改善の動きがみられる。

・春闘の賃上げの反映やボーナスの増加によって賃金は改善した。6月のボーナスを含む特別給与は、コロナ禍前の水準を

 超えて増加している。中小企業を含め、今後も賃上げの流れが継続していくことが重要となる。

・民間職業紹介における求人(主に正社員)では、高収入の求人が大幅に増加した。

・パート労働者の時給は、今年10月に最低賃金が引き上げられることもあり、さらに上昇の見込みとなっている。

・一方、 既婚女性の非正規労働者では、就業調整を実施する割合が高まっており、「年収の壁」による労働供給の制約が

 強まっている

・有効求人倍率は、21.3431.3241.3251.3161.30(正社員は1.03)となった。

・完全失業率は、22.6%32.8%42.6%52.6%62.5%

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば緩やかに改善している。

○ 設備投資は、持ち直している。

  23年度の大企業の設備投資計画では、能力増強や製品高度化等を目的とした前向きな動きがみられる。また、供給網強靱化の

   観点から、今後、国内生産拠点を強化する企業の割合が大きく増加の見込みとなっている。

  ・中小企業の設備投資計画も6月時点では7.2%増と堅調となっている。このうちソフトウェア投資をみると、製造業や卸売・

     小売では大幅な増加の計画になっており、DXの取組がみられる。一方、宿泊・飲食では遅れがでている。

   ・中小企業のうち価格転嫁実施企業では、設備投資に積極的な企業が多い。中小企業の設備投資促進のためには、引き続き

     適切な価格転嫁に向けた取り組みも重要となる。

○ 業況判断は、持ち直している。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20229+812+720233+16+59+9

  「大企業・非製造業」は、20229+1412+1920233+206+239+20

  「中小企業・製造業」は、20229月▲412月▲220233月▲66月▲59月▲1

  「中小企業・非製造業」は、20229+212+620233+86+119+7

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・鉱工業生産指数は前月比で、4+0.7%5月▲2.2%6+2.4%7月(予測)▲0.2%8月(予測)▲1.1%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、3+5.8%4月▲6.3%5+3.6%6+3.0%

・電子部品・デバイスは前月比で、3月▲10.6%4+6.9%50.0%6+6.8%

   ・輸送機械は前月比で、3+4.9%4+3.5%5月▲4.0%6月▲2.8%

 

外需

○ 輸出はこのところ持ち直しの動きがみられる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

   ・財の輸出は、供給制約の緩和に伴う自動車生産の回復や、PC出荷台数の下げ止まりにみられる半導体需要の底打ちも

     背景に、各地域向けに増加しており、持ち直しの動きとなっている。

     ただし、輸出先の経済動向には留意が必要である。

    ・サービスは、23年7月、中国以外からの訪日外客数はコロナ禍前の水準に回復した。一方、デジタル関連や保険等の

  サービス分野では、支払(輸入)が受取(輸出)を超過し、赤字幅が拡大する傾向にあり、 サービス分野の競争力強化

  も重要となっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、1か月ぶりに上昇した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、3+1.34+1.35+0.46月▲1.47+0.8

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、3か月ぶりに上昇した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、3+3.34+1.65月▲1.36月▲1.67+1.3

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる。

    先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、不動産市場の停滞に伴う影響等に留意

     する必要がある。

 ・不動産市場の停滞が続き、住宅取引件数、不動産開発投資は減少となった。大手不動産企業は業績が悪化する中、債務再編交渉

    が難航している。住宅需要の喚起や地方銀行等の金融リスク等に対応するため、政府は各種の政策措置を発表した

    なお、IMFの推計では、地方融資平台(都市開発の資金調達のために地方政府が出資した特別目的会社)の債務残高は増加

    傾向となっている。

 ※政策対応 ① 政策金利の引下げ(8/1521

            ・中期貸出ファシリティ(MLF)1年物を0.15pt引下げ(2.50) ・最優遇貸出金利(LPR)1年物を0.10pt引下げ(3.45)

        ② 住宅ローン金利等優遇要件の緩和(7/27

             ・本人名義の保有住宅がなければ、1軒目購入時の住宅ローン金利・頭金比率等の優遇を2軒目以降にも適用。

        ③ 都市部の戸籍取得要件の緩和(8/3

            ・出稼ぎ農民工の家族呼び寄せによる住宅需要の喚起、公営住宅整備の推進等。 

        ④ 地方政府による地方銀行への資本注入(8/20) 

            ・資本注入のための地方特別債の発行額増加(1-7月は2022年通年の2.3倍)。

        ⑤ 地方政府が地方融資平台の支援について検討(8/11報道) 

・消費はこのところ持ち直しに足踏みがみられる。

・生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・輸出はこのところ弱含みとなっている。

・固定資産投資はこのところ伸びが低下している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。なお、足下でマイナス転換。

・製造業購買担当者指数(PMI)はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 韓国では、持ち直しの兆しがみられる。

○ 台湾では、景気は下げ止まりの兆しがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気は持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は回復している。 先行きについては、回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等に

     よる下振れリスクに留意する必要がある。

20234-6月期のGDP成長率(1次推計値)は、前期比年率+2.4%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費を中心にアメリカの景気はが回復した背景には、雇用・所得環境の着実な改善がある。

  感染症拡大期後は、労働供給の回復を上回るペースで労働需要が急増し、労働市場は更にひっ迫した。

・レジャー・接客等の業種では、労働者不足が依然として高水準で継続している。このため、レジャー・接客の賃金上昇率

  は、全体を上回って推移している。

・全体の賃金上昇率が物価上昇率を上回っていることに加え、21年半ば以降に約1.1兆ドル(対名目GDP比約4%)の超過

  貯蓄が取り崩されていることも消費の増加に寄与している。

7月の失業率は3.5%となった。

○ 設備投資は緩やかに増加している。

○ 消費は増加しており、自動車販売台数は持ち直している。

○ 住宅着工数はこのところ緩やかに増加・住宅価格は緩やかに上昇している。

○ コア物価上昇率はこのところやや低下している。

○ 財輸出はおおむね横ばいとなっている。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気はこのところ足踏み状態にある。

 ・234-6月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で+1.0% (イギリスは+0.8%、ドイツは+0.1%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏はおおむね横ばいとなっており、イギリスは弱含んでいる。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスは上昇している。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏・イギリスともにはおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+6.6%7月)、イギリス+7.7%7月)。

○ 輸出は、ユーロ圏・イギリスともにおおむね横ばいとなっている。 

○ 生産は、ユーロ圏は横ばい、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

2023年

7月

26日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.7.26)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しする

リスクとなっている。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に

十分注意する必要がある。

 

 

世界経済

○ 世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

・中国は、高齢化の進展・従属人口比率の上昇につれて成長が鈍化している。

インドでは、高齢化の進展は緩やかなものにとどまり、成長制約は相対的に小さい可能性がある。

・インドの市場規模・成長性への期待から、日系企業の関心も高まっている。

・中国は貿易収支が黒字となっている。一方インドはサービス収支が黒字であり、サービス輸出に強みがある。

 

日本の実質GDP成長率

○  20231-3月期(2次速報)の実質GDP成長率は、前期比+0.7%(年率+2.7%)となった。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

・新車販売は、生産面の供給制約緩和に伴って増加している。外食消費は、コロナ禍以前のトレンドまでほぼ回復した。

・夏休みの国内旅行者数も、コロナ禍以前の水準を回復する見込みとなっている。4年ぶりに通常開催される夏祭りや

 イベントも多く、消費の後押しに期待がもてる。

・コロナ禍の活動制限下で積み上がった超過貯蓄は、米国では21年半ば以降に取崩しが進む一方、日本では依然取崩し

 には至らず高止まりとなっている。今後、経済活動の正常化が進む中、貯蓄から消費へも動き出すことが期待される。

実質総消費動向指数は、前期比で、3月▲0.1%4月▲0.1%5月▲0.1%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、2+0.0%3+2.6%4+1.5%5+0.6%6+0.2%。 

  ・5月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.2%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、このところ緩やかに下落している。

 消費者物価は、上昇している。

・今次の物価上昇局面では、リーマンショック直前の原油価格高騰時と比べ、企業の価格転嫁が進展した。

・財の消費者物価は、輸入物価から半年程度遅れて動く傾向があり、今後は上昇率が縮小する見込みとなっている。

 必需品の物価は、激変緩和措置の効果等も相まって上昇率が縮小した。一方、必需品以外は徐々に上昇率が拡大している。

・こうした中、物価上昇に直面する消費者は、食料品について、低価格商品にシフトしたり、購買品目を変えたりしている

 可能性がある。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は、底堅い動きとなっている。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、2月▲3.8%3+2.0%4月▲12.1%5+11.8%

・持家着工数は前月比で、2+3.6%3月▲8.0%4月▲0.8%5+0.1%

・貸家着工数は前月比で、2+1.0%3+9.8%4月▲12.9%511.3%

・分譲着工数は前月比で、2月▲15.1%3+0.1%4月▲19.8%5+23.7%

   公共投資は、堅調に推移している。

・請負金額は前月比で、2+51.7%(出来高+0.3%)、3月▲22.8%(出来高+2.9%)、4月▲4.1%(出来高+2.8%)、5+3.0%

 6+5.1%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、このところ改善の動きがみられる。

5月のフルタイム労働者の定期給与は、賃上げの反映が進んだことで一段と上昇した。

比較可能な1993年以降で過去最高水準の伸びとなっている。春闘の結果は、今後も賃金に反映される見込みである。                    ・今夏のボーナスは高水準であった昨年から更に上昇した。パート募集時の平均時給も1,000円超となるなど、増加傾向が

継続している。これらにより、雇用・所得環境の改善が続くことが期待される。                                                              ・価格転嫁ができている企業は、賃上げにもより積極的な傾向がある。賃上げの原資の確保という観点からも、適切な価格

転嫁に向けた取組が引き続き重要となる。                                                                                                ・有効求人倍率は、11.3521.3431.3241.3251.31(正社員は1.03)となった。

 ・完全失業率は、12.4%22.6%32.8%42.6%52.6%

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

○ 設備投資は、持ち直している。

  23年度の設備投資は、高い伸びが実現した22年度から、さらに2桁増の計画となっている。大企業のみならず、中小企業でも

     投資マインドに力強さがある。DXやEV化などの前向きな動きもみられる。

   ・ソフトウェア投資は、引き続き高い伸びとなっている。非製造業では、22年度に大幅増となった宿泊・飲食を含め、23年度は

     全ての業種でプラスの計画となっている。一方、米国に比べると、我が国ではソフトウェアを含む知的財産投資のシェアが

     低く、更なる投資拡大が課題である。

○ 業況判断は、持ち直している。

・ 大企業の製造業の業況判断では7期ぶりに前期から上昇した。

・ 製造業では、供給制約が緩和した自動車産業のほか、飲食需要の増加や価格転嫁の進展も背景に食料品産業が上昇した。

    非製造業では、新型コロナの5類移行も背景に幅広い業種で前期から上昇した。

・ 街角景気の先行き判断をみると、インバウンドや旅行関係に言及した景気ウォッチャーの景況感は引き続き全体を押し上げ

    ている。値上げに関する言及は全体を押し下げているが、その程度は縮小した。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20229+812+720233+16+59+9

  「大企業・非製造業」は、20229+1412+1920233+206+239+20

  「中小企業・製造業」は、20229月▲412月▲220233月▲66月▲59月▲1

  「中小企業・非製造業」は、20229+212+620233+86+119+7

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・製造業の生産は持ち直しの兆しがみられる。供給制約の緩和等を背景に、乗用車や建設機械等が増産基調となるほか、

  市況の悪化による弱さが続いてきた半導体関連業種も横ばいとなった。

・建設機械では遠隔操作システム搭載機の販売が予定され、半導体製造装置は今年度を底に来年度以降売上増が見込まれる

  など、生産用機械工業では先行きにも期待感がみられる。

・インバウンド消費は、コロナ禍前の水準までほぼ回復した。中国等の客数回復は道半ばだが、一人当たり消費額が大きく

  プラスに寄与した。

・鉱工業生産指数は前月比で、3+0.3%4+0.7%5月▲2.2%6月(予測)+5.6%7月(予測)▲0.6%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、2+8.9%3+5.8%4月▲6.3%5+3.6%

・電子部品・デバイスは前月比で、2+7.1%3月▲10.6%4+6.9%50.0%

   ・輸送機械は前月比で、2+13.9%3+4.9%4+3.5%5月▲4.0%

 

外需

○ 輸出は底堅い動きとなっている。輸入はおおむね横ばいとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、5か月ぶりに下降した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、2+3.53+1.34+1.35+0.46月▲1.4

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、2か月連続で下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、2+1.53+3.34+1.65月▲1.36月▲1.6

  

アジア経済の動向  

○ 中国では、景気は持ち直しの動きがみられる。

   先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、不動産市場の動向等を注視する

    必要がある。

 ・234-6月期の実質GDP成長率は前期比で2.2%(前年比+6.3%)となった。、前年4-5月に上海ロックダウンの影響が

    あった点に留意しなければならない。

・不動産企業の債務問題が長期化する中、住宅市場は供給過剰と需要不足(投機の減少、買い控え、都市化の減速等)が

  顕在化した。販売面積は減少が続き、住宅価格は地方で下落。住宅関連財の小売も低調となっている。

・若年失業率は過去最高水準で推移している。これに加え、過去の一人っ子政策の影響もあり、若年層の男女比に偏りが

  みられる。婚姻率・出生率の低下を通じて今後の中国の人口構造にも影響があるとみられる。

・消費はこのところ持ち直している。

・生産は、持ち直しの動きがみられる。

・輸出はこのところ弱含みとなっている。

・固定資産投資はこのところ伸びが低下している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

・製造業購買担当者指数(PMI)はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 韓国では、持ち直しの兆しがみられる。

○ 台湾では、景気は下げ止まりの兆しがみられる。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気はこのところ持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は緩やかに回復している。 先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、金融

     引締めに伴う影響等による下振れリスクに留意する必要がある。

20231-3月期のGDP成長率(3次推計値)は、前期比年率+2.0%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

6月の失業率は3.6%となった。

○ 設備投資は緩やかに持ち直している。

○ 消費は緩やかに増加しており、自動車販売台数は持ち直している。

○ 住宅着工数はおおむね横ばい・住宅価格は緩やかに上昇している。

○ コア物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出はおおむね横ばいとなっている。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気はこのところ足踏み状態にある。

 ・231-3月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で0.0% (イギリスは+0.6%、ドイツは▲1.3%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏はおおむね横ばいとなっており、イギリスは弱含んでいる。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏・イギリスともにはおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+6.8%6月)、イギリス+7.9%6月)。

○ 輸出は、ユーロ圏は持ち直しに足踏みがみられ、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 生産は、ユーロ圏は横ばい、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

2023年

6月

22日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.6.22)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しする

リスクとなっている。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に

十分注意する必要がある。

 

 

世界経済

○ 世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

・ユーロ圏では、これまでの物価高の影響もあり消費が弱含むなど、景気は足踏み状態が続いている。

・欧米の消費者物価は、エネルギー価格下落を受け上昇率に一服感がみられるが、国内の財・サービス価格への波及は、ユーロ圏を

 中心に引き続き進行している。

・中国では、世界的な物価上昇や貿易の鈍化等を受け輸出が伸び悩むなど、感染収束後の回復ペースは緩やかとなっている。

・こうした中、直近、アメリカでは政策金利を据え置き、ユーロ圏は利上げ、中国は利下げの動きとなっている。

 今後とも世界的な金融引締めに伴う影響、物価上昇等による下振れリスクに留意。また、金融資本市場の変動の影響を注視する

 必要がある。

 

 

日本の実質GDP成長率

○  20231-3月期(2次速報)の実質GDP成長率は、前期比+0.7%(年率+2.7%)となった。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

・所得面では、雇用情勢の改善に伴い実質総雇用者所得が下げ止まりとなった。

・消費の内訳をみると、財では、生産の供給制約が緩和されたこともあり、付加価値の高い普通乗用車を中心に新車販売が増加

 傾向となっている。

・サービスでは、コロナ禍で外出を控えがちだった世帯(小規模自治体居住)でも外食消費が増加した。宿泊者数(延べ人数)

 は、政策効果もあり、日本人は高水準で推移した。外国人は堅調に増加しているが、更なる回復が期待される。

実質総消費動向指数は、前期比で、2+0.5%3月▲0.3%4+0.1%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、1+0.3%2+0.0%3+2.6%4+1.5%5+0.6%。 

  ・4月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.2%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、このところ緩やかに下落している。

消費者物価は、上昇している。

・国際商品市況では、原油・LNG・石炭の価格がロシア政府によるウクライナ侵略前の水準を下回って推移している。

・こうした中、我が国の交易条件は、輸入物価下落に伴って、約2年ぶりに前年比プラスに転換した。

・国内企業物価は、5月は再生可能エネルギー発電促進賦課金の引下げもあり、前年比が5か月連続で低下している。

・消費者物価の前年比を寄与分解すると、財に続いてサービスの寄与が徐々に拡大している。

一方、エネルギーは、過去の原油価格下落等の影響が徐々に反映される中、5月は再エネ賦課金の引下げが加わり、マイナス

寄与が拡大した。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は、底堅い動きとなっている。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、1+5.5%2月▲3.8%3+2.0%4月▲12.1%

・持家着工数は前月比で、1月▲0.8%2+3.6%3月▲8.0%4月▲0.8%

・貸家着工数は前月比で、1+0.1%2+1.0%3+9.8%4月▲12.9%

・分譲着工数は前月比で、1+20.0%2月▲15.1%3+0.1%4月▲19.8%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、1+0.9%(出来高+2.1%)、2+51.7%(出来高+0.3%)、3月▲22.8%(出来高+2.9%)、4月▲4.1%5+3.0%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、このところ改善の動きがみられる。

・就業率はコロナ禍以前を上回る水準で推移し、失業率も4月は低下。雇用者数は女性の正規雇用を中心に増加している。

・一人当たり賃金は緩やかに増加した。春闘の賃上げが一部反映され始め、4月のフルタイム労働者の定期給与は最近のトレンド

 を一段上回る伸びとなっている。今後、賃上げの反映が進むにつれて増加が続くことが期待される。

・中小企業でも、民間調査によれば、今年度に給与総額を3%以上引き上げる企業の割合が5割を上回るなど、賃上げが進展した。

 一方で、賃上げの理由として、物価上昇を挙げる企業は5割超となっているが、一定の価格転嫁の実現を挙げる企業は1割に

 とどまる。

 持続的な賃金上昇に向けては、コストの適切な転嫁を通じたマークアップの確保が重要である

  ・有効求人倍率は、121.35202311.3521.3431.3241.32(正社員は1.03)となった。

・完全失業率は、112.5%122.5%202312.4%22.6%32.8%42.6%

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善している。

  ・企業収益は、経常利益が231-3月期に前年比で増益、水準も1-3月期として過去最高となるなど、総じてみれば緩やかに

      改善している。

    ・業種別の動向をみると、製造業は素材関係等の市況悪化により前年比マイナスだが、非製造業は経済社会活動の正常化に伴い、

      陸運、宿泊・飲食、小売など幅広い業種でプラスとなり、全体の回復を牽引している。

○ 設備投資は、持ち直している。

  ・企業の設備投資は、製造業・非製造業ともに前期比で増加するなど、堅調に推移している。ソフトウェア投資もDXの進展等も

     背景に高い水準が継続している。

   ・2023年度の投資計画も前年度比で高い伸びが示されており、引き続き、企業の積極的な投資意欲がうかがえる。

○ 業況判断は、持ち直しの動きがみられる。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20226+99+812+720233+16+3

  「大企業・非製造業」は、20226+139+1412+1920233+206+15

  「中小企業・製造業」は、20226月▲49月▲412月▲220233月▲66月▲4

  「中小企業・非製造業」は、20226月、▲19+212+620233+86+3

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・鉱工業生産指数は前月比で、2+3.7%3+0.3%4+0.7%5月(予測)+1.9%6月(予測)+1.2%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、1月▲15.3%2+8.9%3+5.8%4月▲6.3%

・電子部品・デバイスは前月比で、1月▲4.2%2+7.1%3月▲10.6%4+6.9%

   ・輸送機械は前月比で、1月▲9.9%2+13.9%3+4.9%4+3.5%

 

外需

○ 輸出は底堅い動きとなっている。輸入はおおむね横ばいとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

・貿易収支は、原油価格下落等に伴う鉱物性燃料の輸入減少と、供給制約緩和に伴う自動車の輸出増加を背景に、赤字幅が縮小

  傾向にある。

・こうした中、輸出数量は、ICや半導体製造装置では弱めの動きだが、自動車の輸出増加によって全体としては底堅い動き。

  同様に、製造業の生産も、輸送機械の回復によって全体として持ち直しの兆しがみられる。

・半導体部門は、足下では市況の悪化が続くものの、中長期的な需要拡大も見据え、先端分野の工場新設など各地で前向きな

  投資の動きがみられる。今後、これらの進捗に伴う関連資材・設備の生産増加にも期待がもてる。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、4か月連続で上昇した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、1月▲0.22+3.53+1.34+1.35+0.4

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、6か月ぶりに下降した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、1+2.52+1.53+3.34+1.65月▲1.3

  

アジア経済の動向  

〇 中国では、景気は持ち直しの動きがみられる。

    先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、不動産市場の動向等を注視する必要が

     ある。

 ・231-3月期の実質GDP成長率は前期比で2.2%(前年比+4.5%)となった。

・消費はこのところ持ち直している。

・生産は、持ち直しの動きがみられる。

・輸出は持ち直しの動きに足踏みがみられる。

・固定資産投資はこのところ伸びが低下している。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

・製造業購買担当者指数(PMI)はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 韓国では、景気は下げ止まりの兆しがみられる。

○ 台湾では、景気は減速している。

○ インド・インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

○ タイでは、景気はこのところ持ち直している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は緩やかに回復している。 

     先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに伴う影響等による下振れリスクに留意する必要

     がある。

20231-3月期のGDP成長率(2次推計値)は、前期比年率+1.3%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

5月の失業率は3.7%となった。

○ 設備投資は緩やかに持ち直している。

○ 消費は緩やかに増加しており、自動車販売台数は持ち直している。

○ 住宅着工・住宅価格ともにおおむね横ばいとなっている。

○ コア物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出はおおむね横ばいとなっている。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏・ドイツ・イギリスでは、景気はこのところ足踏み状態にある。

 ・231-3月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で▲0.4% (イギリスは+0.5%、ドイツは▲1.3%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏はおおむね横ばいとなっており、イギリスは弱含んでいる。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏はおおむね横ばい、イギリスは上昇している。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+6.8%5月)、イギリス+7.9%4月)。

○ 輸出は、ユーロ圏は持ち直しに足踏みがみられ、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 生産は、ユーロ圏は横ばい、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

2023年

5月

25日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.5.25)

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかに回復している。

〈先行き〉              

・先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果

もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な

金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しする

リスクとなっている。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に

十分注意する必要がある。

 

 

世界経済

○ 世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している。

・アメリカでは、雇用・所得環境の着実な改善がみられる中で、20231-3月期は消費の増加等がけん引しプラス成長が続くなど、

 景気は緩やかに回復している。

・中国では、感染収束に伴う経済活動の回復の下で1-3月期はプラス成長となり、4月は一服感がみられるものの、消費を中心に

 景気は持ち直しの動きがみられる。

・欧米の失業率はおおむね横ばい。労働市場のひっ迫が続く中、金融引締めが継続している。世界的な金融引締めに伴う影響等に

 よる下振れリスクに引き続き留意が必要である。また、金融資本市場の変動の影響を注視する必要がある。

 

 

日本の実質GDP成長率

○  20231-3月期の実質GDP成長率は、前期比+0.4%(年率+1.6%)となった。供給制約の緩和を通じた自動車販売の増加や

  ウィズコロナの下でのサービス消費の持ち直しなど、内需が牽引した。外需は、アジア向けの輸出減少等によりマイナスに寄与

  した。

○ 名目GDPは、輸入物価上昇の転嫁が進むことで、コロナ禍以前の過去最高水準(197-9月期)を3年半ぶりに更新するなど、

  堅調に増加した。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、持ち直している。

・新車販売が増加するほか、持ち直しが遅れていた高齢者の外食消費も増加した。

・家計動向をみている景気ウォッチャーの評価は、現状・先行きともに4月にさらに上昇した。

5月も、新型コロナの感染症法上の位置づけ変更等も背景として、GWの交通機関の利用実績は新幹線や国内線航空でコロナ禍

前の水準まで回復し、4年ぶりに各地でイベントが通常開催されるなど、コロナ禍から平時への移行が進展した。

実質総消費動向指数は、前期比で、10.0%2+0.1%3+0.1

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、12+1.3%20231+0.3%2+0.0%3+2.6%4+1.5%。 

  ・3月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.5%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、このところ横ばいとなっている。

消費者物価は、上昇している。

・国内で生産された付加価値全体の物価動向を示すGDPデフレーターは、原油価格の下落等に伴い輸入デフレーターの押下げ

 寄与が縮小したことで、231-3月期は前期からプラス幅を拡大させている。

・輸入物価は、石油やLNG等の価格下落に伴い、4月の前年比はマイナスに転じた(22か月ぶり)。

・消費者物価は、4月の前年比は3.4%。食料品の値上げなど財を中心とした上昇が続く中、サービスもこれに遅れて徐々にプラス

 寄与を拡大している。一方、エネルギーは、昨年の原油価格下落等が時間差を伴って反映されるのに加え、電気・ガス価格激変

 緩和対策の効果もあり、マイナスに寄与した。

・消費者の物価予想は、電気・ガス代といった生活に身近な価格が抑えられたことも背景に、「5%以上」と大幅な上昇を予想する

 割合が足下では減少の動きとなっている。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は、底堅い動きとなっている。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、12+0.5%20231+5.5%2月▲3.8%3+2.0%

・持家着工数は前月比で、12+0.7%20231月▲0.8%2+3.6%3月▲8.0%

・貸家着工数は前月比で、12月▲1.0%20231+0.1%2+1.0%3+9.8%

・分譲着工数は前月比で、12+1.9%20231+20.0%2月▲15.1%3+0.1%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、12+0.9%(出来高+0.2%)、20231+0.9%(出来高+2.1%)、2+51.7%(出来高+0.5%)、3月▲22.8%

(出来高▲1.2%)、4月▲4.1%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、持ち直している。

・就業率は全体としては横ばいである中、足下では女性で高まりがみられる。

失業率は足下で上昇したが、失業期間別にみると、231-3月期は長期的な失業が前年比で減少する一方、3か月未満の短期的

な失業が増加した。経済社会活動の正常化に伴い、新たに労働市場に参入する者が職探しを始める中で、一時的に失業が増加

している面もみられる。

・一人当たり賃金は、緩やかに増加した。こうした中、転職市場では処遇改善を目的とした転職者が増加しており、転職によって

 賃金が1割以上増加した者の割合は上昇傾向となっている(7四半期連続)。

・構造的な賃上げの実現に向けては、リスキリングの促進、失業者のマッチング強化や職業訓練等の支援充実など、処遇改善を

 伴う労働移動の円滑化の取り組みが重要である

・有効求人倍率は、111.35121.35202311.3521.341.32(正社員は1.02)となった。

・完全失業率は、102.6%112.5%122.5%202312.4%22.6%32.8%

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている。

  ・上場企業の決算をみると、231-3月期は、売上高が前年比で増加となる中、本業の動向を示す営業利益は増益が継続している。

   経常利益の前年比は減益したものの、2022年度計では過去最高となった。

・業種別の営業利益をみると、素材関係の製造業は市況の悪化を受け前年比マイナスとなる一方、ウィズコロナの下での人流回復

 や供給制約の緩和等を背景に、陸運・空運や輸送用機器で好調が続く。

・企業の景況感は、サービス業を中心に改善が継続。原材料コスト増等を受けて22年以降は低下が続いていた製造業も、輸入物価

   の下落や生産の増加等を背景に、このところ改善傾向にある。

○ 設備投資は、持ち直している。

○ 業況判断は、持ち直しの動きがみられる。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20226+99+812+720233+16+3

  「大企業・非製造業」は、20226+139+1412+1920233+206+15

  「中小企業・製造業」は、20226月▲49月▲412月▲220233月▲66月▲4

  「中小企業・非製造業」は、20226月、▲19+212+620233+86+3

 

生産

 生産は、持ち直しの兆しがみられる。

・製造業の生産は、持ち直しの兆しがある。世界的な半導体需要の軟化の下、メモリ等の電子部品・デバイスは在庫調整により減少

 傾向となっている。一方、乗用車等の輸送機械は、供給制約が緩和する中で増加傾向が強まっている。

・鉱工業生産指数は前月比で、1月▲5.3%2+4.6%3+1.1%4月(予測)+4.1%5月(予測)▲2.0%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、12+0.8%20231月▲15.3%2+8.9%3+5.8%

・電子部品・デバイスは前月比で、12月▲0.7%20231月▲4.2%2+7.1%3月▲10.6%

   ・輸送機械は前月比で、12+0.9%20231月▲9.9%2+13.9%3+4.9%

 

外需

○ 輸出は底堅い動きとなっている。輸入はおおむね横ばいとなっている。

・財輸出は、昨年秋以降、半導体需要の軟化や中国の感染拡大等を背景に弱含みが続いてきたが、このところは生産の増加を受けた

 自動車輸出の増加等によって底堅い動きとなっている。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、3か月連続で上昇した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、12月▲0.71月▲0.22+3.53+1.34+1.3

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、5か月連続で上昇した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、12+0.51+2.52+1.53+3.34+1.6

  

アジア経済の動向  

〇 中国では、景気は持ち直しの動きがみられる。

 先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、不動産市場の動向等を注視する必要がある。

 ・231-3月期の実質GDP成長率は前期比で2.2%(前年比+4.5%)となった。

・消費はこのところ持ち直している。

・生産は、持ち直しの動きがみられる。

・輸出は持ち直しの動きがみられる。

・固定資産投資はおおむね横ばいとなっている。

・都市部調査失業率はおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率は低下している。

・製造業購買担当者指数(PMI)はこのところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

○ 韓国では、景気は下げ止まりの兆しがみられる。

○ 台湾では、景気は減速している。

○ インドでは、景気は持ち直している。

○ タイでは、景気はこのところ持ち直している。

○ インドネシアでは、景気は緩やかに回復している。

  

アメリカ経済の動向 

○ アメリカでは、景気は緩やかに回復している。 先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、金融引締めに

  伴う影響等による下振れリスクに留意する必要がある。

20231-3月期のGDP成長率(1次推計値)は、前期比年率+1.1%

○ 雇用者数は増加、失業率はおおむね横ばいとなっている。

4月の失業率は3.4%となった。

○ 設備投資は緩やかに持ち直している。

○ 消費は緩やかに増加しており、自動車販売台数は持ち直している。

○ 住宅着工はおおむね横ばいとなっており、住宅価格は下落している。

○ コア物価上昇率はおおむね横ばいとなっている。

○ 財輸出は緩やかに増加している。

     

ヨーロッパ経済の動向  

○ ユーロ圏では、景気は持ち直しに足踏みがみられる。

   ドイツ・イギリスでは、景気はこのところ足踏み状態にある。

 ・231-3月期のユーロ圏のGDP成長率は前期比年率で+0.3% (イギリスは+0.5%、ドイツは+0.2%)。

○ 個人消費は、ユーロ圏は持ち直しに足踏みがみられ、イギリスは弱含んでいる。

○ 失業率は、ユーロ圏は横ばいとなっている。イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 物価(コア物価上昇率)は、ユーロ圏・イギリスともにおおむね横ばいとなっている。

・消費者物価上昇率(コア)は前年同期比で、ユーロ圏+7.3%4月)、イギリス+7.2%3月)。

○ 輸出は、ユーロ圏は持ち直しに足踏みがみられ、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

○ 生産は、ユーロ圏は横ばい、イギリスはおおむね横ばいとなっている。

 

2023年

4月

25日

月例経済報告

 

月例経済報告(R5.4.25)

基調判断

〈現状〉

・景気は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。

〈先行き〉              

・先行きについては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、

景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引締め

等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクと

なっている。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動

等の影響に十分注意する必要がある。

 

 

世界経済

○ 世界の景気は一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いている。

2023年の成長見通しは、世界全体ではわずかに下方修正となったものの、欧米では上方修正された。

・中国では感染症の収束、政策効果の発現を受け、生産、消費、輸出共にプラスになるなど、景気は持ち直しの動きがみられる。

・消費者物価の上昇に一服感がみられるが、上昇率の水準は依然高く、物価安定に向けた金融引締めが継続される見込みとなっている。

・今後とも世界的な金融引締めに伴う影響、物価上昇等による下振れリスクに留意が必要。また、金融資本市場の変動の影響を引き続き

 注視する必要がある。

 

 

日本の実質GDP成長率

 202210-12月期(2次速報)の実質GDP成長率は、前期比0.0%(年率+0.1%)となった。

 

個人消費の動向

○ 個人消費は、緩やかに持ち直している。

・財が弱めの動きとなる中で、サービスの持ち直しが消費全体の回復を牽引した。足下では居酒屋での飲食や海外旅行などコロナ禍で

 遅れていた部門でも徐々に回復の動きがみられる。

・消費者マインドは、22年は物価上昇の下で低下傾向だったが、コロナ禍からの経済社会活動の正常化や賃上げの進展も背景に、

 このところ持ち直しの動きがみられる。

・こうした中、民間調査によると、GWの旅行者数はコロナ禍前を上回り過去最高となる見込み。引き続き消費の回復が経済を牽引する

 ことが期待される。

実質総消費動向指数は、前期比で、12月▲0.1%1+0.1%2+0.2%

  ・消費者態度指数(DI)は前月差で、11月▲1.3%12+1.3%20231+0.3%2+0.0%3+2.6%。 

  ・2月の実質総雇用者所得は、前期比で+0.3%となった。

 

物価

○ 国内企業物価は、このところ横ばいとなっている。

 消費者物価は、上昇している。

・国内企業物価は、資源価格の下落等を受けて電力・都市ガスや鉄鋼等の上昇率が縮小する中、3月は前年比上昇率が3か月連続で

 低下となった。

・消費者物価は、2月以降の電気・ガス価格激変緩和対策事業により押し下げられる中、3月の前年比上昇率はコアで3.1%

 物価上昇の大半は財によっている。サービスの上昇率は徐々に高まっている。

・企業の価格転嫁の進捗を疑似交易条件(販売価格DIと仕入価格DIの差)でみると、1年前と比べて幅広い業種で改善している

 が、製造業部門(財関連)と比べ、サービス関連では相対的に価格転嫁に遅れ。。

 

住宅投資・公共投資

   住宅建設は、底堅い動きとなっている。 

・住宅着工戸数の総戸数は前月比で、11月▲2.9%12+0.5%20231+5.5%2月▲3.8%

・持家着工数は前月比で、11月▲1.5%12+0.7%20231月▲0.8%2月▲+3.6%

・貸家着工数は前月比で、11月▲2.5%12月▲1.0%20231+0.1%2+1.0%

・分譲着工数は前月比で、11月▲2.2%12+1.9%20231+20.0%2月▲15.1%

   公共投資は、底堅く推移している。

・請負金額は前月比で、11月▲6.9%(出来高▲0.5%)、12+0.9%(出来高+0.2%)、20231+0.9%(出来高+2.1%)、

 2+51.7%(出来高+0.5%)、3月▲22.8%             

 

雇用・賃金の動向

○ 雇用情勢は、持ち直している。

・失業率は2月に2.6%と5か月ぶりに上昇したが、増加した失業を理由別にみると、より良い条件を求める等の自己都合離職や、

 新たに求職活動を開始する者が増加しており、労働移動の動きもみられる。

・企業の人手不足感は全産業で高まっており、中でも、経済社会活動の正常化に伴い業況の改善が進む宿泊・飲食サービス業で

 顕著となっている。こうした中、パートタイム労働者の賃金は一般労働者を上回るペースで上昇した。

・春闘の賃上げ率を企業規模別にみると、第4回集計時点において、中小企業を含めすべての規模で3%を上回る大幅な賃上げが

 見込まれている。

・有効求人倍率は、101.35111.35121.35202311.3521.34(正社員は1.02)となった。

・完全失業率は、92.6%102.6%112.5%122.5%202312.4%22.6%

 

投資・収益・業況

○ 企業収益は、総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている。

  ・企業の業況判断は、引き続き「良い」が「悪い」を上回り、持ち直しの動きが継続している。ただし、前期からの変化で

   みると、製造業では海外需要の鈍化等を背景に電気機械や素材系業種で悪化する一方、非製造業ではコロナ禍からの経済

   社会活動の正常化に伴って幅広い業種で改善するなど、業種により状況は異なる。

○ 設備投資は、持ち直している。

・設備投資は、機械投資は足下で持ち直しの動きに足踏みがみられるものの高水準で推移しており、ソフトウェア投資は緩やか

 な増加が続くなど、全体として持ち直しの動きとなった。

・こうした中、日銀短観によると、22年度の設備投資は前年度比で二桁増と高い伸びとなる見込みとなっている。

 23年度も当初計画としては22年度を上回るなど、企業の投資マインドは引き続き力強さがみられる。

○ 業況判断は、持ち直しの動きがみられる。

・ 倒産件数は、増加がみられる。

・ 業況判断DI(「良い」-「悪い」)ポイントは短観で、

  「大企業・製造業」は、20226+99+812+720233+16+3

  「大企業・非製造業」は、20226+139+1412+1920233+206+15

  「中小企業・製造業」は、20226月▲49月▲412月▲220233月▲66月▲4

  「中小企業・非製造業」は、20226月、▲19+212+620233+86+3

 

生産

 生産は、このところ弱含んでいる。

・鉱工業生産指数は前月比で、12+0.3%1月▲5.3%2+4.6%3月(予測)+2.3%4月(予測)+4.4%

・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、11月▲6.0%12+0.8%20231月▲15.3%2+8.9%

・電子部品・デバイスは前月比で、11+0.5%12月▲0.7%20231月▲4.2%2+7.1%

   ・輸送機械は前月比で、11月▲0.5%12+0.9%20231月▲9.9%2+13.9%

 

外需

○ 輸出は弱含んでいる。輸入はおおむね横ばいとなっている。

・我が国の輸出は、中国の経済活動回復等を背景にアジア向けが減少傾向から横ばいに転じたものの、全体としては弱含み。

 こうした中、製造業の生産も弱含みとなっている。一方で、2月は自動車等の輸送機械を中心に増加しており、部材供給不足

 が緩和される中、今後の回復に期待感がもてる。

・サービス輸出であるインバウンドは堅調に増加。3月の訪日外客数は19年比で66%(中国を除くと84%)まで回復した。

 旅行消費額でみると1-3月期に1.0兆円と、19年比で88%の水準。1人当たり単価は円安もあって19年比で4割超上昇した。

 引き続き、インバウンド需要の拡大が期待される。

○ 貿易・サービス収支は、赤字となっている。

 

景気ウォッチャー調査  

○ 景気の現状判断(DI)季節調整値は、2か月連続で上昇した。

・現状・季節調整値DIは前月差で、11月▲1.812月▲0.71月▲0.22+3.53+1.3

○ 景気の先行き判断(DI)季節調整値は、4か月連続で上昇した。

・先行き・季節調整値DIは前月差で、11月▲1.312+0.51+2.521.533.3

  

アジア経済の動向  

〇 中国では、景気はこのところ持ち直しの動きがみられる。

 先行きについては、各種政策の効果もあり、持ち直しに向かうことが期待される。ただし、不動産市場の動向等を注視する必要がある。

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